課題

Woodward 社はさまざまなビジネスおよび IT システムから大量の業務機器データを収集していましたが、そのデータを有効活用するプロセスがありませんでした。

 

Woodward 社は、航空宇宙産業および一般産業向けの制御システムと制御システムコンポーネントの設計、製造、サービス提供に携わる、世界で最も長い歴史を有する独立系大企業です。コロラド州フォートコリンズに本社を構え、北米・中南米、ヨーロッパ、アジア、中東にグローバル展開している Woodward 社のシステムとコンポーネントは、民間用、事業用、軍用の航空機や地上車両などの機器に搭載される固定翼および回転翼機プラットフォームのパフォーマンスを最適化します。Woodward 社は、効率向上と排ガス削減によってエネルギー利用を最適化するテクノロジーを活用して、生活の質と持続可能性の向上に世界レベルで取り組んでいます。

課題

産業用モノのインターネット (IIoT) の登場により、製造業がプロセスを改善し、以前は利用できなかった情報を収集する新しい機会が生まれています。産業用設備のあらゆる部分をリモートでモニタリングできるということは、業務効率と製品の品質を大幅に改善できることを意味します。しかし、産業 IoT の導入は、リソースに恵まれた企業にとってさえも困難なものです。

大半の製造業と同様、Woodward 社も、製品ライフサイクル管理 (PLM)、エンタープライズリソースプランニング (ERP)、製造実行システム (MES) などのさまざまなシステムから機器運用データを大量に収集していますが、そこから有用な情報を得るためのプロセスが存在しませんでした。また、Woodward 社は従業員のパフォーマンス、トレーニング、業務を改善するための手法を模索しており、より合理的に作業指示を伝える一連のユーザーアプリケーションスクリーンを作業員に提供したいと考えていました。

Woodward 社が頻繁に直面していた問題の 1 つは、プロセスにエラーが生じるたびに PLM または ERP の同期が失われることでした。これにより、従業員は貴重な時間をかけて組織全体のデータベースを再同期させなければならず、生産性に大きな影響が及んでいました。

業務環境の作業管理とビジュアル管理の向上に取り組んでいた Woodward 社では、手作業とデータ入力を自動化するだけでなく、すべての製造プロセスデータを 1 つのユーザーインターフェースで表示できるソリューションが必要であると気づきました。MES ソリューションでの体験から、この種の導入には数年を要し、数百万ドルの経費がかかる場合があることを学んでいたWoodward 社は、迅速で簡単にデータをプールし配布できるソリューション、作業員に対して新しいプロセスに関するトレーニングを短期間で行い、製造ニーズに応じて簡単にリソースを移動できるソリューションを探していました。設計とプランニングを 1 カ所で行えるプラットフォームに投資することで、所属する部門や地域に関係なく、従業員が作業指示書や業務情報に簡単にアクセスできるようになります。そして、そのような情報をリアルタイムで理解し、より効率的に作業できるようになります。この単一プラットフォームによるアプローチでは、従業員が担当業務の変更に容易に対応できるため、労働資源の柔軟性も向上します。

アプローチ

Woodward 社は、既存のパートナーシップおよび投資を活用し、大規模なデジタル化による混乱を起こすことなく最新のテクノロジーを工場に導入しました。すでに何年も前から製造施設で PTC の Creo および Windchill PLM を活用しており、これらの完全に統合されたソリューションの上に構築することが最もシームレスでコスト効率の高い次のステップになるという結論に至りました。

Woodward 社は以前にも MES を利用しており、これを社内に導入するためのリソースと知識を持ち合わせていましたが、信頼できるパートナーの協力を得たほうが時間的にもコスト的にもはるかに効率的であろうと考えました。そして、PTC の産業 IoT プラットフォーム ThingWorx を、既存の環境に並行して利用する決断を下しました。ThingWorx では、Kepware を利用した産業用コネクティビティ、迅速なアプリケーション開発機能、分析、オンプレミス展開およびクラウド展開のサポートにより、コネクティッド・ソリューションを簡単かつ迅速に構築し、大規模に展開して、短期間でビジネスに価値と影響をもたらします。

ソリューション

Woodward 社は、産業 IoT プラットフォーム ThingWorx をテクノロジーレイヤーとして製造情報システム (MIS) を開発しました。MIS は、業務環境で作業とビジュアルの標準的な管理を実現する製造ソリューションです。Woodward 社の MIS は、National Instruments 社の TestStand、トルクレンチ、プレス機、レーザーマーカー、MWES/製造オペレーション管理 (MOM)、フレキシブル生産システム (FMS)/Makino などの自動化された製造装置と完全に統合しているため、マシン間のシームレスなコミュニケーションが可能になります。

また、従業員のトレーニングおよび認定の状況を追跡するためにも MIS システムを活用し、全員が認定を受けてから業務を遂行しています。同様に、従業員が機器整備状況を追跡できるようになったため、未整備の機器で業務が遂行されるのを防ぐことができます。さらに、政府のコンプライアンスに対応するために、標準的な労働時間と実際の労働時間を自動的に記録しています。

ThingWorx ソリューションの自動化データ機能により、従業員は、作業指示や検査要件などの必要な全ての情報を、個々のビジネスユニットや地域の実情に応じて取得できます。製造プロセスのあらゆるレベルの可視性が向上したことで、Woodward 社の従業員は、絶え間なく提供される情報に簡単にアクセスして、適切な情報に基づく意思決定を下せるようになりました。

Woodward 社は、MIS システムからの恩恵を受ける一方で、PTC との将来のプロジェクトにも目を向け、ほかの次世代テクノロジーが Woodward 社のビジネスにもたらすメリットについても検討しています。Woodward 社では、拡張現実 (AR) が及ぼす影響の調査を始めており、PTC と連携し、作業員の支援、製造プロセスの最適化、正確性とスループットの向上を促進するパイロットプログラムを開始しています。また、このテクノロジーにより、特定のアセンブリや製造プロセスに関する従業員のトレーニングに要する時間がさらに短縮されると考えています。

詳細はこちら

ThingWorx Platform により、さまざまなシステムが 1 つにまとまり、そこからすぐに有用なデータを作業員に提供できるようになりました。製品の品質改善が可能になっただけでなく、すべての施設の効率性と生産性の大幅な向上が実現しました。

-Jay Drager 氏、グローバルビジネスシステム担当ディレクター、Woodward"