課題

数百のメーカーが製造した 60 万台以上の機器を扱う Sunbelt Rentals 社は、システムとデータの統合により大幅な効率化を実現できることを認識していました。そこで KPMG 社と連携して、レンタル機器の運用を最適化しカスタマーエクスペリエンスを向上させる統合 IoT ソリューションを開発しました。

ソリューション


 

Sunbelt Rentals 社、IoT により最適化したレンタル機器管理でビジネスを変革

運用データから価値を引き出す


数百社もの異なる OEM(相手先ブランド名製造)で製造された 60 万台以上の機器を扱う Sunbelt Rentals 社は、機器とデータの管理に精通していました。その一方で、システムとデータを統合すれば、大幅な効率化を実現できることも認識していました。イノベーションと運用の卓越性に注力する Sunbelt Rentals 社は、ThingWorx を活用して既存のモノのインターネット (IoT) のデータをすべてクラウドに集約し、テレマティクスポータルへの扉を開き、レンタル機器の運用の大幅な改善を実現しました。

South Carolina 州 Fort Mill を拠点とする Sunbelt Rentals 社は、さまざまな業界の顧客に多種多様なレンタル機器を提供しています。Sunbelt Rentals 社の北米部門はアメリカ合衆国およびカナダで事業を展開し、15,000 名以上の従業員が年間 60 億ドル以上の収益を支えています。Sunbelt Rentals 社の顧客は主に、建設、施設メンテナンス、イベント、災害救助、映画製作などの特殊用途向けの機器を必要とする企業です。

Sunbelt Rentals 社のビジネスは、所有する機器を利用して効率的にレンタルサービスを提供することにかかっています。総額 100 億ドル以上の価値があるレンタル機器には、高所作業車、フォークリフト、建設機械、ポンプおよび発電機、足場材、建築工具、冷暖房空調設備など、さまざまなサプライヤーから提供される多種多様な機器で構成されます。このような機器のレンタルは、機器の所有に代わる信頼できる手段であり、顧客は設備投資不要で専門機器の高い性能を活用できます。


「当社の使命は、お客様がより優れたビジネスを構築することを支援することです。機器のレンタルは、所有権に代わる信頼できる手段です。レンタルすることで、30% 程度の期間しか必要としない機器を購入することなく、資金をほかの分野に投資できます。当社のビジネスが成功すれば、世界全体で必要とする機器の数が減少するため、製造する機器の数も減るでしょう」と話すのは、Sunbelt Rentals 社のオペレーショナル・エクセレンス担当バイスプレジデントである Katy Godwin Lovering 氏です。

継続的な改善に取り組む Sunbelt Rentals 社は、デジタルトランスフォーメーション (DX) を活用して運用を最適化し、最高のカスタマーエクスペリエンスを提供すると同時に、顧客が機器を所有するのではなくレンタルすることで確実に価値を得られるようにしています。

Sunbelt Rentals 社は、デジタルトランスフォーメーション (DX) を活用して運用を最適化し、最高のカスタマーエクスペリエンスを提供すると同時に、顧客が機器を所有するのではなくレンタルすることで確実に価値を得られるようにしています。

データに基づくインサイトによりレンタル機器の管理を大幅に改善

Sunbelt Rentals 社は、イノベーションへの取り組みの一環として、すべてのレンタル機器にネットワーク接続機能を組み込んでいました。しかし、レンタル機器はさまざまな OEM で製造された 60 万台以上の機器で構成されていたため、多くの異なる OEM とサードパーティの IoT データプロバイダーから提供されるデータの管理に苦労していました。その結果、Sunbelt Rentals 社のチームは、複数の異なるアプリケーションとシステムを使用して機器の登録や状態の監視を行う必要があったため、データから真の価値を引き出すことが困難になっていました。 

Sunbelt Rentals 社は、すべての機器のデータを一つのプラットフォームに統合して活用すれば、運用を大幅に改善するためのインサイトを引き出せるのではないかと考えました。その中でも大きな可能性を秘めていたのがサービス業務であり、Sunbelt Rentals 社の 4,000 名以上の技術者に、適切なタイミングで適切な機器のテレマティクスデータを提供しました。機器の状態データを技術者の手元に置くことで、機器の診断や修理にかかる時間を削減し、作業の質も向上できます。

たとえば、広大な作業現場で機器の所在を特定して回収する作業は時間もコストもかかります。控えめに見積もっても、機器の所在の特定と回収のために、支社ごとに 1 日 1 時間は無駄になっていました。毎日数千台もの機器の回収が必要な上、トラックのコストも考慮しなければなりません。このため、迅速に機器の所在を特定して回収できれば、機器の利用率が大幅に改善され、運転手の時間を節約できます。

ほかにも、まだ回収されていないためレンタル期間終了後もクライアントが使用している機器や、不適切な使用によって破損した機器なども効率化の対象となります。Sunbelt Rentals 社の従業員がこのような状態をリアルタイムに把握し、機器を一元的に管理できれば、コストを大幅に削減し、作業員の効率を向上できます。

これらの要因すべてが顧客の機器の利用率と稼動率の向上につながり、より優れたカスタマーエクスペリエンスが実現します。「当社の機器と運用全体で、データからより多くの実用的な情報を抽出できれば、運用が改善し、最終的なカスタマーエクスペリエンスも向上することはわかっていました」と Lovering 氏は話します。

Sunbelt Rentals 社、KPMG 社および PTC と連携してビジョンを実現

KPMG-logo 一つに集約された IoT プラットフォームにより運転手と運用チームを支援するという明確なビジョンを持っていた Sunbelt Rentals 社は、KPMG 社と連携し、自社のビジネス要件に適した技術を探しました。KPMG 社は、戦略と導入に関する深い見識を備えた重要なパートナーであることを証明しました。たとえば、Sunbelt Rentals 社は、特定の OEM による規制のプラットフォームを検討することから始めましたが、KPMG は、OEM にとらわれない独自のプラットフォームを所有し、運用すべきであることを示しました。

「KPMG 社との連携を開始して、彼らはリーダーシップの経験だけでなく、導入を成功させるための経験ももたらしました。さまざまなアイデアを出し合うことで導入に必要な時間を大幅に削減し、最終的にかなり大きな成果を得ることができました」と話すのは、Sunbelt Rentals 社のレンタル機器および製品サポート担当バイスプレジデントである Brad Coverdale 氏です。

KPMG 社と Sunbelt Rentals 社は、この取り組みに理想的な産業 IoT プラットフォームは PTC の ThingWorx であると判断しました。ThingWorx は、すべての機器のデータを接続、収集、分析することで機器のモニタリングや自動化を促進する強力な産業 IoT ソリューションです。このソリューションは、Sunbelt Rentals 社が持つ旧式のレンタル機器やシステムを接続するための柔軟性を提供し、将来的に拡張現実 (AR) ソリューションである Vuforia など、他の PTC 製品を活用するための幅広い機能と統合性を提供します。

Sunbelt Rentals 社、ThingWorx を基盤とするテレマティクスポータルにより一つのプラットフォームでデータを標準化

sunbelt-rentals1Sunbelt Rentals 社は ThingWorx を活用してすべての機器のテレマティクスデータを一つのプラットフォームに集約し、テレマティクスポータルやその他の統合アプリケーションで利用できるようにしました。ThingWorx はさまざまなソースから IoT データを取り込み、標準化して、北米全体の運転手と運用チームがリアルタイムで機器データにアクセスできるようにします。

「IoT の魅力は、データを統合できるところです。当社の戦略は、チームメンバー全員が 1 枚のウインドウで経験を共有できるようにすることです。それを実現するには、まったく異なる構成の数百ものブランドや数千ものモデルをひとつにまとめることが必要でした」と Lovering 氏は話します。

プロジェクトが開始した時、すべてのチームは現場で顔を合わせて作業する予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染症によって移動や対面での打ち合わせが難しくなったため、3 つのチームは方向を転換することで、プロジェクトをバーチャルで遂行しました。Sunbelt Rentals 社、KPMG 社、PTC の柔軟性と献身的な取り組みにより、アプリケーションの初回リリースは 6 カ月で実現しました。2019 年 12 月にプロジェクトを開始し、2020 年 7 月にソリューションを稼働しました。Sunbelt Rentals 社はまず、3 万~4 万台の機器を接続しましたが、ほぼ即座にプラットフォームの価値を見出し、既存の機器の IoT 化を前倒しして進めることにしました。

テレマティクスポータルが実現する強力なレンタル機器最適化のユースケース

テレマティクスポータルとその基盤となる標準化されたデータは、強力なレンタル機器最適化のユースケースへの道を開きました。遠隔地にある機器の所在を特定することは、Sunbelt Rentals 社に大きな価値を迅速にもたらす明確な成果でした。Sunbelt Rentals 社ではこれを「地図上の点」(機器の位置情報)のユースケースと呼んでいます。現在では、機器を回収しに現場に現れた運転手は、ThingWorx が提供するモバイル端末の物流アプリをチェックし、機器の緯度と経度、燃料の使用状況などの指標を確認できます。データはこの様にして運転手に渡り、必要なときにリアルタイムの情報を確認できます。

「地図上の点」の利用はSunbelt Rentals 社の社内で広がりを見せ、現場からより多くの機能を求める声が上がるようになりました。すでに機器の回収に必要な時間の削減により機器の可用性を向上させ、運転手が機器を探す時間を短縮することで大幅なコスト削減と効率化を実現しています。また、より多くの機器をより短期間で顧客に提供することで、より良いカスタマーエクスペリエンスを実現しています。データに基づくインサイトによりレンタル機器の稼動時間と可用性が大幅に向上し、顧客が期待する利用率を実現することで、カスタマーエクスペリエンスの向上につながっています。

Sunbelt Rentals 社、顧客向けのアプリケーションにもデータを活用

当初、このソリューションは社内向けでしたが、Sunbelt Rentals 社は、それが顧客にとっても価値があるとすぐに気付きました。そこで Sunbelt Rentals 社は、顧客向けの「コマンドセンター」というアプリケーションでも ThingWorx のデータフィードを使用できるようにしました。

「コマンドセンター」にログインした顧客は、テレマティクスポータルにアクセスし、レンタル機器の情報を確認できます。所在地、利用履歴、レポートなどを確認できるため、データに基づく意思決定が可能になります。最も一般的な顧客のユースケースは、離れた場所でも機器の所在を迅速に特定できる、機器の位置情報である「地図上の点」です。たとえば、ある顧客は、ハリケーンの影響を受けた区域で行方不明になったライトタワーの所在地を、Sunbelt Rentals 社の担当者を派遣することなく見つけ出しました。

顧客向けのアプリケーションによってカスタマーエクスペリエンスが向上し、顧客の設備投資 (CapEx) を削減できます。「お客様向けのポータルによって、さまざまな方法でお客様の業務が改善されています。高品質なレンタル機器とデータに基づくインサイトを提供することで、お客様自身がこのようなシステムを構築するために投資する必要がなくなりました。これにより、当社は信頼できるアドバイザー兼サービスプロバイダーとしての位置づけを確保できます」と Lovering 氏は話します。

Sunbelt Rentals 社、IoT を活用したユースケースの拡張を計画

sunbelt-rentals2すでに影響の大きい複数のユースケースを実現している Sunbelt Rentals 社は、テレマティクスポータルの活用範囲を拡大し、ビジネス全体に定着させて、このソリューションを英国市場に展開することを目指しています。今後のユースケースとしては、サービス業務プラットフォームへのデータの段階的な導入をより強固にし、顧客向けのアプリケーションを拡張していく予定です。

短期的なユースケースの一つとして、遠隔診断での IoT データの活用があります。Sunbelt Rentals 社は、離れた場所で問題や故障が発生した場合、現場に技術者を派遣するのではなくデータを使用して遠隔で解決することを計画しています。これにより時間と燃料を節約し、技術者の労働時間が短縮され、顧客はこれまでよりも迅速にソリューションを手に入れることができます。

人と人をつなぎ支援することはもう一つの最優先事項であり、運転手や作業員に対してより多くのインサイトとデータ活用の機会を提供します。自動車技術もまた注目している領域で、ドライブレコーダーや運転者の行動管理ソフトウェアでさらなる拡張が可能です。運用面での強化としては、IoT を使用してワークフローを合理化し、ソリューションを簡略化してレンタル業務の利便性を向上させることを計画しています。

Sunbelt Rentals 社は、これらのユースケースを検討し活用範囲を拡大していく中で、将来の展開に期待しています。IoT プラットフォームが無数のデジタルトランスフォーメーション (DX) への取り組みの基盤となり、さらに KPMG 社と PTC をパートナーとしたことで、Sunbelt Rentals 社の可能性は無限に広がりました。

KPMG 社と PTC の戦略的アライアンスは企業がチャンスをつかみ、競争の先頭に立つことを支援します。KPMG 社の戦略的ビジョンとプロフェッショナルサービスは、PTC の実績ある業界トップの産業 IoT プラットフォーム ThingWorx と拡張現実 (AR) および製品ライフサイクル管理 (PLM) と結び付いています。



「当社の機器と運用全体で、データからより多くの実用的な情報を抽出できれば、運用が改善し、最終的なカスタマーエクスペリエンスも向上することはわかっていました」
- オペレーショナル・エクセレンス担当 VP、Katy Godwin Lovering 氏