課題

2020 年、厳格な移動制限が施行される中、ロックウェル・オートメーションの製品エキスパートチームが顧客の現地サイトに赴き、複雑な機械を設置することは不可能でした。機械がライン内で稼動しない場合、製造工程全体の停止が必要になる可能性がありました。

 

ロックウェル・オートメーションは、Vuforia Chalk の活用により非常事態下でも製造スケジュールに遅延が生じないよう顧客を支援

物理的な世界とデジタルの世界を最適な形で統合する拡張現実 (AR) を活用することで、企業はリモートワークに適応し、計画が急に変更された場合でも、顧客が目標どおりに製造スケジュールを実行するための支援を提供できます。AR テクノロジーの活用により、カスタマーサービスと従業員の安全を常に最優先事項としながら、重要な社会的役割を担う企業が必須の事業基盤を維持できるようわずか 10 日のリードタイムで支援を提供した、ロックウェル・オートメーションのサービス部門の事例をご確認ください。

競合他社とは一線を画す、お客様中心のフレームワーク

革新的なテクノロジーを使用して優れた顧客満足度を常に維持するという能力において、競合他社とは一線を画す企業があります。ロックウェル・オートメーションは産業用オートメーションとデジタルトランスフォーメーション (DX) の分野で業界をリードする企業として知られていますが、一方でサービス部門にも注力しており、全従業員のほぼ 4 分の 1 が専門スタッフとしてサポートおよびサービス業務に従事しています。

ロックウェル・オートメーションには 2 万 3,000 人の「問題解決スタッフ」が在籍しており、100 カ国以上でカスタマーサービスを提供しています。サービスチームには、平均 13 年の経験を有する 3,400 人のエンジニアとプロジェクトマネージャーが所属しており、その提供サービスは製品サポート、設備管理、従業員トレーニング、ネットワークおよびセキュリティサービス、設備の近代化計画の策定など多岐にわたります。


 


世界的な新型コロナウイルス感染拡大の状況下で、重要な社会的役割を担う企業における製造の継続を支援したロックウェル・オートメーションの取り組みが注目されました

ロックウェル・オートメーションは、場所を問わない 24 時間体制のサポートを通じ、顧客に卓越した価値を提供するため尽力しています。2020 年 3 月以降の時期には、ロックウェル・オートメーションでもほかの多くの企業と同様に、世界的に主流となったリモートワークの導入への対応が必要でした。その時期に、ロックウェル・オートメーションのとある主要取引先企業では、前年から予定していた重要な計画停止にて新しい機械の設置と立ち上げが数週間後のが 4 月 1 日に予定されていました。

厳格な移動規制が各地で施行されるなか、ロックウェル・オートメーションは、顧客の中電圧ソフトスターターを設置するためにフィールドエンジニアと製品エキスパートのフルチームを派遣できないことが次第に明らかになってきました。製紙業のパルプ製造工程で使用されるこの複雑な機械の扱いには、高度で専門的な経験と安全トレーニングが必要でした。しかも、この機械がラインで稼動しないと、生産ライン全体が停止する危険性があり、収益の損失に加え、人々の生活に重要な製品の流通に遅延が発生するおそれがありました。

ロックウェル・オートメーションは Vuforia Chalk の活用により、深刻な影響をもたらす製造の遅延を回避

幸いなことに、ロックウェル・オートメーションのサービス部門は AR テクノロジーのメリットを活用する方法に精通していました。同部門のスタッフは、計画されていたサービスを遠隔支援によって実行するうえで、Vuforia Chalk が最も時間的に効率的で効果的なソリューションであることを熟知していたのです。Vuforia Chalk により、遠隔地にいる専門のサービススタッフがスクリーン上に描いた指示を現地の作業員がリアルタイムで確認し、それに従って作業できます。また、デジタルアノテーションが相手側のローカル環境に固定され、状況の進行を常時確認できます。これらの機能を備えた Vuforia Chalk は、このような状況で遠隔支援に最適なソリューションと言えます。

現地での作業を担当したロックウェル・オートメーションのフィールドサービスエンジニアである Alexei N. Wilson-Eorgan 氏が、迫りつつある段取り替えに向けて Vuforia Chalk をダウンロードし遠隔支援テクノロジーのテストを開始したのは、計画ダウンタイム実施のわずか 10 日前でした。現地サイトに到着しスマートフォンで Vuforia Chalk を起動した Wilson-Eorgan 氏は、ニューヨークとカナダのオンタリオ州にいる、必要な知識を備えたロックウェル・オートメーションのサービス専門スタッフとすぐにセッションを開始できました。彼自身も自社製品に精通した経験豊かなサービススタッフでしたが、新しいパルプ製造機を扱うのは初めてだったため、Vuforia Chalk により容易に遠隔コミュニケーションを利用できたのは非常に有益でした。

ロックウェル・オートメーションが擁する「問題解決スタッフ」の人数

23K


ロックウェル・オートメーションの顧客が所在する国の数

100


サービス部門に在籍するエンジニアとプロジェクトマネージャーの人数

3,400

 

Vuforia Chalk を使用することで、遠隔地にいる専門スタッフは音声とビデオを組み合わせてリアルタイムで顧客の機器の状況を確認し、画面上に直接注釈を付けることができます。Vuforia Chalk はまるで同じ場所にいるかのように使いやすく、Wilson-Eorgan 氏はプロセス全体を通じて専門スタッフの書き込んだ注釈に従って作業を進め、全てのステップを効率的に実行できました。機械上では診断および分析のためのソフトウェアも実行されていたので、Vuforia Chalk を介してリアルタイムの測定データを専門スタッフと共有することもできました。このような機能を活用して、チームは効果的な連携のもとで作業し、段取り替えは 2 日以内に完了しました。

現場での作業に向けたトレーニングと準備の時間が非常に限られていたにもかかわらず、Wilson-Eorgan 氏は Vuforia Chalk のシンプルな機能を活用して専門スタッフと接続し、効率的な方法で共同作業できました。これは非常に大きな成果でした。対象の機器は新式のモデルであったためトレーニングを受けていた人員は少なく、業界での数十年の経験を持つ Wilson-Eorgan 氏でさえ、まったく未経験分野のフィールドサービスだったからです。Wilson-Eorgan 氏は言います。「‭Vuforia Chalk こそが、多岐にわたる診断ツールと専門知識を結びつける最も重要な核として機能しました」

 

「‭Vuforia Chalk こそが、多岐にわたる診断ツールと専門知識を結びつける最も重要な核として機能しました」
Alexei N. Wilson-Eorgan 氏
ロックウェル・オートメーション、シニアフィールドサービスエンジニア

 

お客様のニーズを最優先

ロックウェル・オートメーションは、作業まで短期間にもかかわらず Vuforia Chalk を活用できるようになったことで、長年築き上げてきた顧客の信頼に応えることができ、顧客は収益を損失することなく生産レベルを維持できました。具体的には、機器の交換を 2 日以内に問題なく完了し、計画停止を予定どおりに実施できました。ロックウェル・オートメーションは、顧客だけでなく、その製品に依存している地域社会にとっても、新型コロナウイルス感染拡大の状況下に予定外のダウンタイムを発生させないようにしました。

Live View Support 750x500

顧客を最優先する企業であるロックウェル・オートメーションは、新型コロナウイルスの際も、またその終息後も、顧客のビジネスの継続性を確保するために、顧客との緊密な連携を続けていきます。そのような顧客支援においてロックウェル・オートメーションが活用しているツールの 1 つに、モバイルデバイス向けの仮想遠隔支援アプリケーションである Live View Support™ があります。Live View Support™ のサービスは Vuforia Chalk を介して提供されます。使用ライセンスは、ロックウェル・オートメーションが提供する包括的なカスタマーサポートパッケージである TechConnect の購入時に特典として提供されます。

顧客にとって、迅速かつ容易にサービス担当者とリモート接続できることは、機器の問題をより迅速に解決するための強力な手段となります。これは、新型コロナウイルスの感染拡大の際に明らかになったように、リモートワークがより一般的になった今、非常に重要です。「Vuforia Chalk によって視覚的に情報を共有できることで、この非常時においても、当社のお客様とエキスパートは綿密なコミュニケーションを維持できます。これにより、当社はビジネスの弾力性を将来にわたり確保できます」と語るのは、ロックウェル・オートメーションにおいてカスタマーサポート担当のバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務める Rachael Conrad 氏です。Conrad 氏は続けます。「PTC とのパートナーシップにより、当社のサービス内容と提供方法を新しい働き方に迅速に適応させるうえで必要となる最適なツールを提供できました。2 カ月のうちに、世界各地に所在する 3,000 名以上の遠隔地および現地で作業するエンジニアに Vuforia Chalk を導入し、トレーニングを行いました。これにより、当社チームとお客様の間に、これまでにないコラボレーションが可能になりました」。Conrad 氏は、ロックウェル・オートメーションのグローバルサービス体制において、PTC との連携が重要な役割を果たしていると考えています。「PTC の AR ソリューションを活用して、ポートフォリオを進化させ続けているのは、昨年の成功と教訓のおかげです。それにより、当社はお客様により優れたサービスを提供でき、全世界におけるビジネス運営の効率性を向上させることができます」と Conrad 氏は言います。

ロックウェル・オートメーションは、Vuforia Chalk により自社のサポートツールを強化することで、すべてのリモートサポートエンジニアが対象となるグローバルサービス提供モデルの変更も実施できました。過去 6 カ月間に、顧客サポートのためのセッションを 500 回実施しています。さらに、リモートサポートグループの全世界における対象地域を拡大し、現在では 16 カ所のグローバルセンターに在籍する 600 名以上のリモートサポート担当者が Vuforia Chalk を使用しています。

ロックウェル・オートメーションは、Vuforia Studio でより高度なセルフサービス機能を使用できる、追加ライセンスの提供を開始しました。また、AR を活用してトレーニング事業やその他のコアサービスを提供する方法を現在検討しています。

「2 カ月のうちに、世界各地に所在する 3,000 名以上の遠隔地および現地で作業するエンジニアに Vuforia Chalk を導入し、トレーニングを行いました。これにより、当社チームとお客様の間に、これまでにないコラボレーションが可能になりました」
Rachael Conrad 氏
ロックウェル・オートメーション、カスタマーサポート担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー


 

結論: AR テクノロジーは、遠隔地でのサービスおよびコラボレーション機能の必要性が最も高まる状況下において、必須の事業基盤の維持に貢献する

不確実性の高い時代に、ロックウェル・オートメーションは Vuforia Chalk を活用することで、自社のサービスエンジニアをより効率的に連携しただけでなく、顧客の期待を大きく超えるサービスを提供できました。Vuforia Chalk のようなツールがコラボレーションを推進する有効な方法として成果を上げたことで、顧客からはフィードバックとして、複雑な問題を正確かつ信頼性の高い方法で解決できることにより得られる優れた価値に対して、高い評価が寄せられています。

ロックウェル・オートメーションの成功を支えているのは、顧客が直面する複雑な問題を AR テクノロジーの活用により解決する卓越した能力です。製造とカスタマーサービスの分野で業界をリードする企業としての実績を誇るロックウェル・オートメーションの取り組みは、「最高水準の業績を実現するのみでなく、ほかの企業にも優れた支援を提供する」というビジネス方針の模範と言えます。このような姿勢は、あらゆる企業が困難に直面する昨今のような時代には特に意義のあるものです。革新的なテクノロジーを積極的に活用してきた実績に基づき、ロックウェル・オートメーションは今後もこのような模範的な取り組みを推進していくでしょう。

「PTC の AR ソリューションを活用してポートフォリオを進化させ続けているのは、昨年の成功と教訓のおかげです。それにより、当社はお客様により優れたサービスを提供でき、全世界におけるビジネス運営の効率性を向上させることができます」
Rachael Conrad 氏
ロックウェル・オートメーション、カスタマーサポート担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー

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