ワイン業界にイノベーションを巻き起こす Treasury Wine Estates 社
「Glasses up! Let’s make a⏎toast, to success and nothing less. Yessir(グラスを上げて!まごうことなき成功に乾杯を。イエッサー)」19 Crimes のワインラベルから、Snoop Dogg が語りかけます。動いている唇も声も、間違いなく彼のものです。他に類を見ない拡張現実 (AR) コンテンツを通じて、Snoop Dogg が、そして 1800 年代の 19 Crimes の歴史上の重要人物たちが、消費者に直接その贖罪のストーリーを語ります。2017 年以降、19 Crimes は、最先端のコンテンツを提供して世界中のワイン愛好家を喜ばせ、流通している中で最もユニークなワインブランドの 1 つとして、ほかのブランドとの差別化を図ってきました。
TREASURY WINE ESTATES 社のルーツは、19 世紀の Lindemans(1843 年)、Penfolds(1844 年)、米国の Beringer Vineyards(1876 年)など、いくつかの新世界のワイナリーの設立にさかのぼります。
これらのワイナリーを通じて、TREASURY WINE ESTATES 社は芸術、科学、イノベーションを融合させた長い歴史を築き上げてきました。TREASURY WINE ESTATES 社はイノベーションと継続的な改善に取り組むことで、世界トップのワイン企業の 1 つに成長しました。オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパの世界的に有名なワイン生産地で信頼性の高いプレミアムワインを製造し、70 カ国以上の消費者に販売しています。
TREASURY WINE ESTATES 社は、世界で最も称賛されるワイン企業になるという野望を実現するために、ワインの世界における変革の先頭に立っています。19 Crimes の革新的なラベルは、進歩とイノベーションに対するこの取り組みをよく表しています。
19 Crimes は TREASURY WINE ESTATES 社の他に類を見ない印象的なブランドの 1 つ
ワイン売り場を歩いていると、19 Crimes のボトルのラベルが目に入ります。19 Crimes は、19 の犯罪のうち少なくとも 1 つの罪で有罪判決を受け、死刑は免れたものの、オーストラリアに移住するよう宣告され国を追われた 16 万人以上の男女の反骨精神を称えています。未開拓の流刑地の開拓者として、彼らは新しい国と新しい生活を一歩一歩築き上げました。19 Crimes は、初のカリフォルニアワインの製造で、ブランドに現代風の演出を施しました。19 Crimes の精神(規則を破る、文化を創造する、逆境を克服する)を忘れないように、エンターテインメントとカリフォルニアの象徴である Snoop Dogg が、次のリリースからブランドパートナーとなったのです。これはまさに適任でした。このパートナーシップから生まれたのが「Snoop Cali Red」で、このワインはアメリカの消費者の間で人気となりました。このブランドに特有の性質は、19 Crimes の登場以来、TREASURY WINE ESTATES社がコンセプトとしてきたものです。「19 Crimes は当初から、消費者とのコミュニケーション方法に関して常に異なった見方をされてきました」と話すのは、Treasury Wine Estates 社のデジタル、パフォーマンス、パートナーシップ担当ディレクターである Ming Alterman 氏です。
ワイン業界における差別化は困難
ワイン売り場で存在感を発揮することは困難です。消費者は無数の選択肢に直面しますが、多くの場合、購入の決め手となる情報がほとんどありません。「ワインは難しいカテゴリーです。何十万ものワイナリーやブランドがあります。消費者の視点から考えて、似たようなボトルが大量に並び、ラベルから多くの情報を読み取ることができない場合、どのように選べばよいのでしょう?」と Alterman 氏と言います。この課題は、大手食料品店の注目を迅速に引く必要がある営業会議でも発生します。TREASURY WINE ESTATES 社は、ワインの選択と購入に体験型の要素を取り入れ、従来のネックタグや棚に取り付けるタイプの広告以上にブランドを目立たせるための方法を求めていました。「ワイン売り場や営業会議で目立つにはどうすればよいか、社内で検討しました」と Alterman 氏は言います。
19 Crimes、Vuforia Engine で他に類を見ない拡張現実 (AR) 体験を実現
競合他社との差別化を図るため、TREASURY WINE ESTATES 社は、ワインラベルに拡張現実 (AR) テクノロジーを導入した最初のワイン企業になるための取り組みを開始しました。19 Crimes は、Tactic Studio 社の没入型コンテンツの専門家たち、そしてクリエイティブエージェンシーの Wunderman Thompson 社と連携し、ブランドのストーリーに命を吹き込む拡張現実 (AR) アプリケーションの構想を練りました。拡張現実 (AR) が、ブランドの認知度を高め、新鮮かつ革新的な方法で歴史をたどる豊かな物語を語る機会をもたらすことを、全員が認識しました。「19 Crimes ブランドには初めての試みがあふれています。拡張現実 (AR) は大きな変化をもたらしました。ブレインストーミング中に、素晴らしいアイデアが次々と沸いてきました」と Alterman 氏は言います。
TREASURY WINE ESTATES 社が拡張現実 (AR) アプリケーションのために選択したのは、印象的で捨身のようにリアルな拡張現実 (AR) コンテンツを制作できる、業界トップの開発ソフトウェア Vuforia Engine でした。キャラクターアニメーションと視覚効果に関する専門知識を駆使してコンテンツの制作を支援した Tactic Studio 社は、以前 Vuforia Engine を活用した経験があり、このようなコンテンツの制作には最適なツールであることを知っていました。
「拡張現実 (AR) を適切に制作するには、美しく創造的なアイデアを現実のものとしてくれるテクノロジーパートナーとエンジンが必要です。PTC の Vuforia Engine は、それに適したプラットフォームでありエンジンであると感じました」
- Ming Alterman 氏、デジタル、パフォーマンス、パートナーシップ担当ディレクター、TREASURY WINE ESTATES 社
19 Crimes のストーリーに命を吹き込む Living Wine Labels 拡張現実 (AR) アプリケーション
19 Crimes のボトルで取り上げられている男女は、Living Wine Labels 拡張現実 (AR) アプリケーションを介して、文字どおり購入者の目の前で命を吹き込まれ、その悲しいストーリーを自らの言葉で語ります。John Boyle O’Reilly を例に説明しましょう。Living Wine Labels アプリをダウンロードしたら、スマートフォンやタブレット端末をボトルに向けるだけで O’Reilly 氏の写真が動きだます。彼は眉間にしわを寄せると、自らのストーリーをこう語り出します。「私は王に反逆した罪で、オーストラリアに追放された」
濃厚で美味しいワインを飲みながら、O’Reilly 氏の生涯(アイルランド共和主義同盟のメンバーであった彼が、どのようにして西オーストラリアに移送され、最終的にボストンの新聞「The Pilot」の編集者になることでアイルランド人コミュニティの著名なスポークスマンとなったか)を知ることができるのです。「この拡張現実 (AR) コンテンツは時代の先端を行くものですが、そのベースとなっているのは歴史をたどるストーリーです。パーティーで披露すれば、大絶賛されるでしょう」と Alterman 氏は言います。
19 Crimes の拡張現実 (AR) エクスペリエンスは大成功を収めた。
550 万ダウンロード
2017 年 7 月以降
40% の増加
ケース販売数
受賞 - 栄誉ある Super
REGGIE Award
19 Crimes のブランド認知度と顧客満足度の強化により、売上が大幅に増加
19 Crimes の拡張現実 (AR) アプリケーションの成功は否定しようがありません。当初スタンドアロンのアプリとして開始されたこのコンテンツは即座に成功を収めたため、TREASURY WINE ESTATES社は Living Wine Labels アプリを開発してほかのブランドにも拡張することにしました。現在、Gentleman’s Collection、Wolf Blass、Matua などの 9 つのブランドで、他に類を見ない魅力的な拡張現実 (AR) コンテンツを提供しています。
このコンテンツは消費者に大人気を博し、Living Wine Labels アプリケーションのダウンロード数は数百万に上りました。Living Wine Labels アプリケーションは、2017 年 7 月に公開されて以来、合計 550 万回ダウンロードされました。また、このコンテンツの視聴回数は 22,168,625 回に及んでいます。さらに、2017 年から 2019 年にかけて、ケース販売数が約 40%増加しました。
「消費者の目から見て本当に面白いのです。それは、ソーシャルメディアで共有されたコメントを見れば明らかです」と Alterman 氏は言います。「ワイン業界では、これまでこのようなことはなかったと思います。AR アプリケーションのおかげで、ブランドの認知度が大幅に向上しました」
この他に類を見ない拡張現実 (AR) コンテンツは、明らかに売上を増加させ消費者に大きな影響を及ぼしただけでなく、主要な小売業者の注目も引き、営業に関する打ち合わせがより効果的なものになりました。「総じて、ワイン業界でこのような取り組みを見たことがない、というフィードバックを受け取りました」と Alterman 氏は言います。「小売業者が気に入るのは、人々をワイン売り場に引き留める商品、人々が棚を探し回る商品なのです」
19 Crimes、拡張現実 (AR) アプリケーションが評価され賞を受賞
2017 年のリリース以降、19 Crimes は拡張現実 (AR) コンテンツにより数々の業界賞を受賞してきました。2020 年、19 Crimes は大きな影響力をもつワイン誌「Shanken News Daily」の「Impact Hot Brand」リストに 5 年連続で掲載されました。2017 年には、Market Watch の Wine Brand of the Year に選ばれました。同年、TREASURY WINE ESTATES 社とその代理店は、ブランド活性化マーケティングキャンペーンでの最高レベルの成果が認められ、Association of National Advertisers から栄誉ある Super REGGIE 賞を受賞しました。
Alterman 氏は、さらにほかの栄誉も付け加えました。「Apple 社は、ワイン分野でダウンロードすべきアプリの 1 つとして私たちのアプリを紹介しました。Business Wire が選んだ飲食分野の無料アプリケーションのトップ 50 にもランクインしています。この勢いは、時間の経過とともに、どんどん増加しました」
このアプリケーションは、顧客満足度とビジネス価値の観点からだけでなく、マーケティング効率の観点からも成功しました。「このアプリケーションと、そこから生み出された話題性は、私たちのマーケティングとメディアの取り組みの大部分を占めました」と Alterman 氏は言います。
TREASURY WINE ESTATES 社は拡張現実 (AR) への投資を継続
19 Crimes は最近になって、Snoop Dogg とパートナーシップを組み、Snoop Cali Red ラインを発売しました。TREASURY WINE ESTATES 社が 19 Crimes の贖罪のストーリーに現代的なひねりを加えたいと考えたとき、これ以上ないほど最適であると判断したのが、家族思いな面のある有名なミュージシャンでありカルチャークリエイターでもあった Snoop Dogg でした。今では、拡張現実 (AR) コンテンツが、世界中の家庭のダイニングルームでこのラッパーに命を吹き込んでいます。7 月初旬の発売以降、Snoop Dogg のコンテンツの使用は 50 万回を超え、視聴回数は 100 万回を超えています。
「拡張現実 (AR) を通して Snoop Dogg のような有名人に命を吹き込むことは、本当に、本当にクールです。ボトルに描かれている Snoop Dogg が話しかけてくるように感じられます」と Alterman 氏は言います。
TREASURY WINE ESTATES 社にとって、19 Crimes と最近の Snoop Dogg ラインの成功が最終目標ではありません。TREASURY WINE ESTATES 社は、自社のブランドに魅力的な拡張現実 (AR) コンテンツを提供し続けることに情熱を傾けています。「このアプリケーションは、消費者に本当に愛されました。このため、さらに投資することに決めたのです」と Alterman 氏は言います。「AR は 1 回きりの戦術ではなく、ワイン業界のために残されるべきものです。私たちもその発展に長期間寄り添っていきます。そして、お客様を魅了し、お客様を喜ばせるための新たな方法を模索していきます」
「AR は 1 回きりの戦術ではなく、ワイン業界のために残されるべきものです。私たちもその発展に長期間寄り添っていきます。そして、お客様を魅了し、お客様を喜ばせるための新たな方法を模索していきます」
- Ming Alterman 氏、デジタル、パフォーマンス、パートナーシップ担当ディレクター、TREASURY WINE ESTATES 社