- 複数の CAD システムによって一貫性が欠如。
- 複雑なプロトタイピングによって市場投入までの期間が長期化。
- 異なるデータベースが設計の再利用の妨げに。
- 生産の柔軟性が欠如しサプライチェーンのリスクが増大。
- 非効率なワークフローにより収益性が低下。
高精度な送電製品の世界大手メーカーである Renold 社は、12 カ所の製造拠点で断片化した CAD システムと各拠点でのローカルファイル保存が原因で、運用上の大きな課題に直面していました。
Renold 社は、PTC の信頼できるパートナーである INNEO Solutions 社と連携し、PTC の革新的な Creo および Windchill ソリューションを導入しました。このパートナーシップによって、Renold 社は 3D CAD システムと PLM システムを標準化し、課題に効果的に対応しました。このように移行したことでデジタル効率や設計の一貫性が向上し、コラボレーションを世界規模で効率化できました。この変革によって設計時間が 50% 短縮し、設計部門がスリム化され、CAD ライセンスが 70% 削減されました。
新型コロナウイルス感染症の感染が拡大していた時期において、このようなソリューションが大きな功を奏し、Renold 社は拠点間で製造を切り替えることで事業の継続性を維持できました。Renold 社は現在、俊敏性、イノベーション、市場への適応性を実現する革新的なツールとプロセスによって、将来の成長に向けた備えを進めています。
はじめに
1879 年創業の Renold 社はチェーン、ギアボックス、カップリングの製造における耐久性と正確性の代名詞となっています。倉庫への電力供給から潜水艦の安全確保まで、Renold 社の製品は農業、製造、エネルギー、食品、鉱業、防衛など幅広い業界で活用されています。しかし、複数の国で事業を展開する Renold 社は大きなプレッシャーに直面しており、競争の激しい市場で効率性と適応性を維持するには、プロセスを近代化して統合する必要がありました。
想像してみましょう。複数の拠点で互換性のない CAD システムを使用していると、設計部門に重複作業が発生し、効率の悪さからコストも増加します。このような障壁を認識した Renold 社は、デジタル設計と製品ライフサイクル管理 (PLM) に最新のアプローチを採用することで、競争力を確保し、信頼性とイノベーションに向けた取り組みを維持しました。
継続的な改善に向けたこのような取り組みは、製品開発の最適化に欠かせない PTC の CAD、PLM、ThingWorx システムなどの先進テクノロジーの利用にも表れています。設計に Creo を、データおよび変更管理に Windchill を使用することで、Renold 社は現在の課題により適切に対応し、とりまく環境の変化の中で正確性、コラボレーション、俊敏性を確保しています。ThingWorx では、多くのユーザーがトレーニングを受けなくてもシステムにアクセスできます。
課題
Renold 社は、標準化、データの整合性、効率的な変更管理、シームレスなコラボレーションを確保しながら、世界中の拠点と買収した企業全体で設計システムやプロセスを統合する必要がありました。
Renold 社は主に次のような課題を抱えていました。
運用上の課題
- 断片化したシステム: さまざまな CAD システムのライセンスが複数使用されていて、不一致や重複が生じていました。
- 複雑なプロトタイピング: 拠点間でのデータ共有に実効性が乏しく、プロトタイピングの回数が増え、市場投入までの期間が長期化していました。
- コンポーネントの再利用が限定的: データベースが異なるため、施設をまたいで設計を再利用することが困難でした。
市場のプレッシャー
- 世界的な混乱: 拠点間で生産を移行する柔軟性が欠如し、サプライチェーンの課題や地域の関税に対する脆弱性が高まりました。
- 高コスト: 非効率なワークフローによって運用コストが増加し、収益性が低下していました。
一貫性のあるソリューションがなければ、Renold 社は競争力を失い、顧客が期待する高い基準を満たせないリスクがありました。
ソリューション
このような問題に対応するため、Renold 社は PTC の Creo および Windchill ソリューションを活用しました。このアプローチにより、従来のドキュメント主体のワークフローが、包括的なデジタル設計モデルと一元化されたデータ管理機能に置き換えられました。
主な取り組み
- CAD システムの標準化: Renold 社は設計ツールを統合し、80 人の設計者が使用していた 170 件の CAD ライセンスを 50 件の Creo の共有ライセンスに削減しました。CAD ワークフローが効率化され、設計者は製造に関する指示、注釈、品質データを 3D モデル内に直接埋め込むことができるようになりました。
移行プロセスの一環として、Renold 社は Creo 内で製品データを再構築することを決め、アドバンスアセンブリ、モデルベース定義 (MBD)、メカニズム運動解析、FEA シミュレーションなど、Creo の高度なモデリングおよび設計機能をフル活用しました。Creo の進化する機能セットによって設計の正確性が向上し、シームレスなコラボレーションが実現しました。 - 変更管理を構造化し一貫性を確保: 設計の迅速な進化を管理し、コラボレーションを向上させるために、Renold 社は PTC のソリューションの利用を拡大。Windchill で製品ライフサイクル管理 (PLM) システムを統合して変更管理を構造化し、Navigate で役割ベースのデータアクセスに対応しました。これらを組み合わせて PLM のアプローチを変革することで、企業全体で製品の変更を効率化し、可視化して、アクセス可能にしました。
設計変更を処理するワークフローを明確にして自動化したことで、チームはリクエストを簡単に作成、確認、承認できるようになりました。このように構造化されたプロセスによって、すべての変更が正確に定義、制御されるため、不具合のリスクが軽減し、問題を迅速に解決できます。最新情報にリアルタイムにアクセスすることで、設計と生産の整合性が保たれ、迅速かつ効率的な製品開発サイクルが実現します。 - 標準化で効率性とサステナビリティを向上: Renold 社は Creo を活用し、設計だけでなく、グローバルオペレーション全体で製品設計とプロセスを標準化しました。この取り組みは効率化の推進だけでなく、Renold 社のサステナビリティ目標にも沿っています。Renold 社は、再利用可能な設計フレームワークを開発して部品を標準化することで、廃棄材料を削減し、製造のサステナビリティを向上させています。Creo を中心にすると、すべての製品ラインで一貫した設計基準が維持され、プロジェクトの複雑さや地理的な場所に関係なく、チームは品質に対する期待事項や規制要件を満たすことができます。
- コラボレーションの強化: Windchill の単一の信頼できるデータベースを使用することで、世界各地のチームがより効果的に共同作業できるようになります。Windchill と Navigate によって、正確なリアルタイムデータへのアクセスを管理し、誤解を最小限に抑えることができるため、設計者だけでなくすべての関係者にメリットがあります。
- 実証された基盤に構築: Renold 社は、PTC が培ってきた長年の実績をふまえ、そのソリューション群を活用してコスト効率よく拡張し、将来の成長、買収、運用上のニーズに対応できるようにしました。
PTC のソリューション群が選ばれた理由
PTC は、Renold 社の目標に合わせて主に次のようなメリットを提供しました。
- 包括的なグローバルサポートで拠点間の一貫性を確保。
- 拡張性に優れたツールでコスト効率を維持しつつ、需要の変化に対応。
- 高度な機能でイノベーションと進化するツールセットを統合。
結果
PTC の Creo、Windchill、ThingWorx ソリューションを導入することで、Renold 社はデジタルトランスフォーメーション (DX) を実現し、測定可能な成果を獲得しました。
「Creo と Windchill に標準化することで設計プロセスが効率化されただけでなく、コラボレーションが強化され、顧客の期待に迅速に応える俊敏性を得られました」
Jim Hinde 氏(Renold 社、設計システム導入マネージャー)
主な成果
- パフォーマンスの向上
- 設計時間が 50% 短縮: Creo による標準化で、チームはコンポーネントを迅速かつ一貫して設計できるようになり、市場投入までの期間が大幅に短縮されました。
- より少ない労働力でスループットが 2 倍に: ワークフローとプロセスを一元化することで、Renold 社は人員を削減しながらも設計の生産性を 2 倍に高めることができました。
- 運用効率
- シームレスな生産移行: CAD システムと設計プロセスの統合によって、Renold 社は拠点間で生産を柔軟に移行し、関税や市場の需要に迅速に対応できるようになりました。
- 再利用性の向上: 一元化されたデータ管理によって設計の再利用が促進され、プロジェクト全体で時間とコストを削減できるようになりました。
- 新型コロナウイルス感染症の感染が拡大していた時期における事業の継続性
- 混乱に対するレジリエンス: デジタルファーストのアプローチによって、Renold 社はワークロードを効率化し、状況の変化に中断なく迅速に対応できました。
- サステナビリティの向上
- 廃棄物の削減: データの標準化によって、正確な設計と材料の最適化が可能になり、製品の重複発生が大幅に減少してスクラップ率が低下しました。
- 二酸化炭素排出量の削減: 現地生産でのコラボレーションによって、輸送による排出量を最小限に抑えられるようになりました。
- 成長の基盤
- デジタルアクセスの効率化: データの統合とプロセスの標準化によって、Renold 社では ERP と CRM をスムーズに統合する基盤が整いました。
- イノベーション実現の準備: Renold 社は PTC のツールセットの統合を強化していく予定であり、オーガニック成長や買収によるさらなる拡大に備え、将来を見据えた設計とイノベーションを促進しています。
まとめ
PTC の Creo、Windchill、ThingWorx を戦略的に導入した Renold 社は、製品開発とライフサイクル管理のプロセスを大幅に強化しました。設計を Creo で標準化し、データの構造化と変更管理に Windchill PLM を活用することで、Renold 社はグローバルオペレーション全体で効率性、正確性、コラボレーションを向上させました。
Renold 社は高度なテクノロジーを統合して顧客の厳しい要件を満たす能力を強化し、材料廃棄物の削減と製造プロセスの最適化によってサステナビリティ目標の達成を目指しています。
Renold 社の計画では、ERP および CRM プラットフォームを通じて接続性をさらに向上させ、包括的なデジタルデータに世界中からアクセスできるようにするということです。継続的にイノベーションを実現し、業界の需要の変化に対応し続けている Renold 社。革新的なソリューションを活用するというその方針によって、送電業界で持続的な成功とリーダーシップを実現するための基盤を築いています。
PTC のソリューションがもたらす効果をご体験ください
Renold 社のようなオペレーションの最適化にご興味があれば、今すぐお問い合わせください。PTC のソリューションでお客様のビジネスの効率性、拡張性、イノベーションをどのように促進できるのかご案内いたします。
パートナー特集: INNEO Solutions 社
INNEO Solutions 社は、設計、シミュレーション、IT の総合的なソリューションによってデジタルトランスフォーメーション (DX) を促進し、企業のイノベーションと業務の効率化を支援します。
INNEO 社は Renold 社と提携し、PTC Creo および Windchill ソリューションに関するライセンス、トレーニング、専任技術者による専門的なサポートを提供することで、生産性とイノベーションを最大限に引き出せるよう支援しています。このようなコラボレーションを通じて、Renold 社は CAD と PLM の環境を標準化し、ワークフローを加速させ、グローバルエンジニアリングのパフォーマンスを向上させることができました。