ブログ CAE とは?初心者にもわかりやすく解説!メリット・種類・CAD との違いから導入事例まで

CAE とは?初心者にもわかりやすく解説!メリット・種類・CAD との違いから導入事例まで

2025年12月8日 Creo お問い合わせ 無償試用版はこちら
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「CAE とは何か?」
製造業の現場でよく耳にする言葉ですが、専門用語が多く、難しく感じてしまう方も多いのではないでしょうか。

CAE (Computer Aided Engineering) は、日本語で「計算機援用工学」と訳されますが、簡単に言えば「コンピュータ上で製品のシミュレーションを行うこと」です。

この記事では、CAE の基礎知識から、導入のメリット、構造解析や流体解析といった種類の違い、そして失敗しないソフトの選び方までをわかりやすく解説します。

記事の最後では、設計者自身が手軽に CAE(シミュレーション)を行える 3D CAD「Creo」の導入事例もご紹介しています。具体的な活用イメージを知りたい方は、ぜひあわせてご覧ください。

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CAE とは何か?

CAE は、ものづくりの現場において「品質向上」「コスト削減」「開発期間短縮」を実現するために欠かせない技術です。ここでは、言葉の定義や、よく混同される「CAD」や「CFD」との違いについて解説します。

CAE の意味と定義

CAE の正式名称は「Computer Aided Engineering」で、日本語では「計算機援用工学(けいさんきえんようこうがく)」と訳されます。

簡単に言うと、「製品開発に必要な物理現象(力、熱、流体など)のシミュレーションを、コンピュータ上の計算で行うこと」です。

従来、製品の強度が十分か、正しく動作するかを確認するためには、実際に試作品を作って実験(試験)を行う必要がありました。CAE を使えば、この実験をコンピュータ上の仮想空間で行うことができます。

製品の形状データに対して「力を加える」「熱する」「風を当てる」といった条件を設定し、その結果を計算によって導き出すのです。

よくある疑問:CAD や CFD との違い

CAE と似た言葉に「CAD」や「CFD」があります。それぞれの役割や関係性を整理しましょう。

CAD と CAE の違い

「CAD」と「CAE」は、どちらも製品開発に不可欠なツールですが、役割が明確に異なります。一言で言えば、CAD は「形を作るツール」、CAE は「性能を確かめるツール」です。

表:CAD と CAE の比較

CAD (Computer Aided Design) CAE (Computer Aided Engineering)
役割 設計、製図 解析、検証(シミュレーション
何をするか コンピュータ上で図面を描いたり、3Dモデル(形状)を作成したりする CAD で作ったデータをもとに、強度や耐熱性などの性能を計算する
目的 製品の「形」を具体化する 製品の「機能・性能」を保証する

 

 

一般的には、CAD で設計したデータを CAE ソフトに読み込み、シミュレーションを行うという流れで活用されます。(近年は Creo のように、CAD の中に CAE 機能が含まれているものも増えています)

CAD と CFD の違い

「CAE と CFD は何が違うのですか?」という質問もよくあります。結論から言うと、これらは比較対象ではなく、「全体」と「一部」の関係(包含関係)にあります。

  • CAE:工学支援シミュレーション全般を指す言葉(親カテゴリ)。
  • CFD:CAE の中の「流体解析」という特定の分野を指す言葉(子カテゴリ)。

CFD は「Computational Fluid Dynamics(数値流体力学)」の略称です。

CAE という大きな枠組みの中に、「構造解析」「電磁界解析」などと並んで「流体解析(CFD)」が存在しています。つまり、CFD は CAE の一種です。空気や水などの流れを計算したい場合は、CAE ソフトの中でも特に「CFD ソフト(流体解析ツール)」を選ぶことになります。

CAE を導入する3つのメリット

ではなぜ、多くの製造業が CAE を取り入れているのでしょうか。その理由は、物理的な実験だけでは得られない効率と品質が得られるからです。

CAE を導入する主なメリットは、大きく分けて「コスト」「時間」「環境(実験の制約)」の3点に集約されます。

1. 試作回数の削減によるコストダウン

従来の開発フローでは、設計後に実物の試作品を作り、実験して壊し、設計を修正してまた作る…という工程を何度も繰り返す必要がありました。これには多額の材料費や加工費がかかります。

CAE を活用すれば、PC 上のバーチャルな試作で性能評価ができるため、「実機試作」の回数を大幅に減らすことができます。

試作が減れば、それに伴う材料費や実験設備費、廃棄コストなども削減でき、製品原価の低減に直結します。また、廃棄物を減らすことは、近年重視される SDGs や環境配慮 (GX) の観点からも大きなメリットとなります。

2. 開発期間の短縮(フロントローディング)

試作を減らすことは、コストだけでなく「時間」の短縮にもつながります。実物の試作には数週間~数ヶ月かかることもありますが、CAE なら数時間~数日で結果が出ます。

さらに重要なのが、「フロントローディング」の実現です。

「製品の品質とコストの8割は、設計段階で決まる」と言われています。開発の後工程(量産直前など)で不具合が見つかると、設計のやり直し(手戻り)が発生し、リリースの遅延など甚大な損失を生みます。

CAE を使って設計の初期段階(フロント)で徹底的に検証し、不具合の芽を摘んでおくことで、後工程でのトラブルを防ぎ、開発期間全体を劇的に短縮できるのです。

3. 実験不可能な環境のシミュレーション

現実世界では再現が難しい、あるいは危険な環境での実験ができることも CAE の大きな強みです。

  • 危険な場所:原子炉の中や、高温高圧の環境など、人が近づけない場所
  • 極限環境:宇宙空間や深海など、簡単には行けない場所
  • 目に見えない場所:エンジン内部の燃焼、電子機器内部の熱の流れ、微細な部品にかかる負荷など

CAE であれば、これらの環境をデジタル上で再現し、安全かつ何度でも実験(シミュレーション)を繰り返すことができます。実機実験ではセンサーを取り付けられない内部の現象まで「可視化」できるため、より詳細な分析が可能になります。

CAE 解析の種類とできること

CAE には、検証したい物理現象に合わせてさまざまな種類のソフトウェア(ソルバー)が存在します。

ここでは、製造業で頻繁に使用される代表的な4つの解析種類について、それぞれ「何ができるのか」と「主な活用例」を解説します。

構造解析(強度・耐震)

構造解析は、製品に力が加わったときに「変形しないか」「壊れないか」を検証する、最も代表的な CAE です。

材料力学の知識に基づき、部品に荷重がかかった際の「応力(部材内部にかかる負担)」や「変位(変形量)」を計算します。代表的な計算手法として、構造物を細かいメッシュ(要素)に分割して計算する「有限要素法 (FEM)」が用いられます。

【主な活用例】

  • 自動車:車体が衝突した際の衝撃吸収や、ボディの強度確認
  • 電子機器:スマホを落下させた時の画面や筐体の破損リスク検証
  • 建築・土木:地震や強風に対する建物の耐震性評価
  • 製品全般:軽量化のために部品を肉抜きした際の強度不足の確認

流体解析(CFD・熱)

流体解析は、空気や水などの「流れ」や「熱の移動」をシミュレーションする解析で、CFD (Computational Fluid Dynamics) とも呼ばれます。

目に見えない空気抵抗や熱の流れを、色付きのグラデーションや流線で可視化できるのが特徴です。流れは時間とともに複雑に変化するため、難易度は高めですが、熱対策や空力設計には欠かせません。

【主な活用例】

  • 自動車・航空機:走行時・飛行時の空気抵抗(空力特性)の検証
  • 電子機器:パソコンや基板内部の熱源から、効率よく熱を逃がすための冷却ファンの配置検討(熱流体解析)
  • 設備・医療:空調による室内の空気循環や、咳をした際の飛沫の拡散シミュレーション

【関連記事】

設計者が 3D CAD「Creo」を使って熱解析を行う具体的な手順については、以下の記事で詳しく解説しています。

【Creo で CAE】熱解析のやり方:熱流体・熱伝導の違いを基板モデル事例で解説

電磁界解析

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出典:経済産業省 電磁界とは

電磁界解析は、電気や磁気の作用をシミュレーションする技術です。「電界(電圧がかかっている空間)」と「磁界(磁気が働いている空間)」の相互作用を計算します。

電子機器の小型化・高機能化が進む中、部品同士が発する電磁波がノイズとなって誤動作を起こさないか(EMC/EMI 対策)を確認するために重要性が増しています。

【主な活用例】

  • モーター・発電機:モーターの効率化や発熱、トルクの解析
  • 通信機器:アンテナの電波の飛び方や、通信品質の評価
  • 電子基板:部品から発生する電磁ノイズが周辺機器に悪影響を与えないかの検証(ノイズ対策)

光学解析

光学解析は、光の進み方や見え方をシミュレーションする技術です。

光を線として捉える「幾何光学」と、波として捉える「波動光学」の手法があります。レンズを通した光の屈折や、照明が空間をどう照らすか(照度・輝度)を解析し、最適なレンズ形状や配置を設計します。

【主な活用例】

  • カメラ・光学機器:レンズの曲率設計や、センサーへの光の入り方の検証
  • 自動車:ヘッドライトの配光特性や、車内照明のムラ確認
  • 照明器具:LED 照明の明るさや、光の拡散具合のシミュレーション

CAE ソフトウェアの選び方と活用スタイル

CAE を導入する際、最も悩むのが「どのソフトを選べばよいか」という点です。

CAE ソフトウェアは多種多様ですが、選定の基準は大きく分けて「誰が使うか(運用スタイル)」と「何に使いたいか(ソフトのタイプ)」の2軸で考えるとスムーズです。

専任者 CAE と 設計者 CAE の違い

CAE の運用スタイルには、専門知識を持つスペシャリストが行う「専任者 CAE」と、設計者が設計業務の中で行う「設計者 CAE」の2種類があります。

表:専任者 CAE(従来型) と設計者 CAE (近年のトレンド)の比較

専任者 CAE 設計者 CAE
対象 解析専任のエンジニア 設計担当者(デザイナー)
特徴 設計がほぼ完了した段階で、詳細な検証を行う 設計の初期段階(構想段階)で、CAD を操作しながら並行して検証を行う
メリット
  • 精度で複雑な解析が可能
  • 最終的な品質保証に向いている
  • 自分のアイデアを即座にシミュレーションできるため、開発スピードが劇的に向上する(フロントローディング)
デメリット
  • 設計部門とは別部署であることが多く、依頼から結果が出るまでに時間がかかる
  • 結果が出てから設計不備が見つかると、大幅な手戻りが発生する
  • 専任者ほどの深い理論知識はないため、極めて複雑な現象の解析には不向きな場合がある

 

 

現在は、開発スピードを上げるために「設計者 CAE」を導入し、設計者が潰しきれない高度な課題だけを「専任者」に任せるという分業スタイルが主流になりつつあります。

※さらに上流工程での CAE 活用 (1DCAE)

近年では、3D 形状を作る前の「構想段階」で機能や仕様を検証する「1DCAE(モデルベース開発)」という手法も注目されています。これは設計者 CAE のさらに前段階で行われる高度なシミュレーションです。

汎用ソフトと専用ソフトの違い

次に、ソフトウェアの機能面での違いです。大きく分けて「汎用ソフト」と「専用(特化型)ソフト」があります。

表:「汎用ソフト」と「専用ソフト / CAD 統合型ソフト」の比較

汎用ソフト(マルチフィジックス) 専用ソフト / CAD統合型ソフト
特徴 構造、流体、電磁界など、あらゆる物理現象を一つのソフトで解析できる高機能タイプ 特定の解析(構造解析のみ、流体解析のみ)に特化したものや、3D CAD の中に機能が組み込まれているタイプ
向いているケース 解析専任者が、様々な事象を深く分析したい場合 設計者が、設計作業の流れで手軽に解析したい場合
注意点
  • 多機能なぶん操作が難しい
  • 導入コストが高額になる傾向にある
  • CAD データを変換して読み込む手間が発生することがある
  • 汎用ソフトに比べると、設定できる条件の細かさに制限がある場合がある

 

 

失敗しない選び方のチェックリスト

ソフト選定の際は、ベンダーに以下の項目を確認することをおすすめします。

  • 目的:「何」を解析したいか(強度? 熱? 流れ?)
  • 使用者:誰が使うか(設計者が使いやすい操作性か?)
  • 連携:普段使っている 3D CAD とデータ連携・統合ができるか?
  • 環境:自社サーバー(オンプレミス)か、クラウドか?

製造業における CAE 活用事例

CAE は、コンピュータの進化とともに多くの業界で標準的なツールとなりました。

ここでは、特に活用が進んでいる「自動車」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」の3つの業界について、具体的な導入企業の事例を交えて解説します。

自動車業界での活用

自動車業界は、最も早くから CAE が定着している分野の一つです。

「走る・曲がる・止まる」といった基本性能の構造解析はもちろん、近年のトレンドである「電動化 (EV)」や「自動運転」に伴い、モーターの熱解析やセンサーの電磁界解析など、複合的なシミュレーションが行われています。

【活用事例】UD trucks 社

大型トラックの開発を手掛ける UD trucks 社では、設計開発の基盤として 3D CAD「Creo」を活用されています。

単に形を作るだけでなく、設計データをエンジニアリングチェーン全体で活用。設計の初期段階で 3D モデルを用いた検証(シミュレーション)やレビューを行うことで、後工程での手戻りを防ぎ、意思決定を迅速化させています。

UD trucks 社の事例詳細はこちら

エレクトロニクス業界での活用

家電、精密機器、半導体などのエレクトロニクス業界では、製品の「小型化」と「高性能化」が同時に求められます。

小さな筐体の中に多くの部品を詰め込むため、熱がこもらないようにする「熱流体解析」や、落下時の衝撃をシミュレーションする「落下解析」が頻繁に行われます。

【活用事例】パナソニック社

パナソニック社のライティング事業部では、住宅用から施設用まで幅広い照明器具の設計に「Creo」を活用されています。

照明器具は、デザイン(意匠)と配光性能(機能)の両立が求められます。同社では設計者自身が Creo を使って 3D 設計を行い、そのデータを用いて光の広がり方や強度などの検証を行うことで、高品質なモノづくりを実現しています。

パナソニック社の事例詳細はこちら

ヘルスケア業界での活用

医療機器や器具、人体で使用するインプラントなどのヘルスケア分野では、製品が人命や健康に直結するため、他の業界以上に厳格な品質基準(FDA などの法規制)への適合が求められます。

人体への影響や、繰り返し使用に対する耐久性を証明するために、CAE による緻密なシミュレーションデータが不可欠です。

【活用事例】オムロンヘルスケア

血圧計などの健康機器をグローバルに展開するオムロンヘルスケアでは、PTC のシステムを活用して設計情報をデジタル化・一元管理されています。

世界中に点在する設計拠点間でデータを正確に連携し、各国の厳しい医療機器規制に対応しながら、「脳・心血管疾患の発症ゼロ(ゼロイベント)」を目指した革新的なデバイス開発を推進されています。

オムロンヘルスケアの事例詳細はこちら

CAE の歴史と将来性

CAE は単なる計算ツールから、企業の競争力を左右する経営資源へと進化しています。最後に、CAE が歩んできた歴史と、これからの製造業における役割(DX・将来性)について解説します。

CAE の歴史

CAE の基礎となる技術は、1950年代の航空宇宙産業から始まりました。NASA の「アポロ計画」における構造解析などが有名で、当時は大型コンピュータと一部の限られた専門家のための特別な技術でした。

大きな転換期となったのは、1990年代後半からの Windows PC の普及です。

ハードウェアの進化に伴い、CAE ソフトも「ワークステーション(専用機)」から「パソコン」へと移行。さらに、3D CAD の普及に合わせて「設計者自身が手元で解析を行う」というスタイルが徐々に広まりました。

かつては「解析専任者の聖域」だった CAE は、今や「設計者の標準装備」となり、ものづくりのスピードを劇的に加速させています。

CAE の課題と将来性(DX との関連)

日本の製造業における課題として、欧米に比べて「設計の3次元化(3D CAD 化)」や「CAE 活用」が遅れている点が指摘されています。

熟練技術者の経験や勘、そして試作実験に頼る従来の手法は、品質が高い反面、スピードとコスト競争力で後れを取るリスクがあります。

【DX・GX 推進のカギは CAE】

これからの製造業には、デジタルトランスフォーメーション (DX) による改革が不可欠です。CAE はその中核を担います。

  • 意思決定の迅速化:
    技術に詳しくない経営層や顧客に対しても、CAE による「可視化されたシミュレーション結果(色付きの図や動画)」を見せることで、実機を作る前に説得力のあるプレゼンが可能になり、決裁スピードが上がります。
  • 環境対応 (GX):
    脱炭素社会(カーボンニュートラル)に向けたグリーントランスフォーメーション (GX) の観点でも、CAE は重要です。試作廃棄物の削減だけでなく、エネルギー効率の良い製品設計をシミュレーションで追求することが、企業の社会的責任 (CSR) として求められています。

3D データを正として、設計・解析・製造・保守までをデジタルで繋ぐ。その中心にCAE を据えることが、次世代の競争力となるでしょう。

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製造業における DX の本質や、従来の CAD の役割がどう変化していくのかについて、さらに深く知りたい方は、こちらの資料もご覧ください。

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設計者 CAE なら「Creo」がおすすめな理由

これから CAE に取り組む設計現場には、PTC の 3D CAD「Creo(クリオ)」がおすすめです。

Creo は、単なる設計ツール (CAD) ではありません。設計者が日常業務の中で自然にシミュレーションを行えるよう、高度な CAE 機能が「完全統合」されているのが最大の特徴です。

1. CAD 完全統合でデータ変換不要

一般的な CAE ソフトでは、CAD で作ったデータを解析用に変換(インポート・エクスポート)したり、修正のたびにデータを読み込み直したりする手間が発生します。

Creo なら、設計画面 (CAD) の中に解析機能 (Creo Simulate) が組み込まれているため、データ変換の手間は一切ありません。

また、解析の専門知識が必要な「メッシュ作成(計算用の網目を作る作業)」も、Creo独自の「アダプティブ P 法」により自動で最適化されます。設計者は面倒な設定を気にせず、検証のみに集中できます。

2. 設計変更が即座に見えるリアルタイム解析

「解析結果が出るまで待つ時間がもったいない」という課題を解決するのが、「Creo Simulation Live」です。

世界的シミュレーション企業のリーダーである Ansys(アンシス)社との技術提携により実現したこの機能は、形状を変更した瞬間に、リアルタイム(数秒)で解析結果を表示します。

「ここを削ったらどうなる?」「穴を広げたら?」といった試行錯誤を、思考を止めることなく何度でも繰り返すことができます。

3. 初心者でも扱える流体解析ツール

難易度が高いとされる流体解析 (CFD) も、「Creo Flow Analysis」を使えば設計者自身で実施可能です。

ウィザード形式(対話形式)の設定画面や、ビギナー向けのチュートリアルが充実しており、専門的な流体力学の知識が浅くても、空気の流れや熱の検証をスムーズに始めることができます。

【その他の高度な拡張機能】

Creo には、このほかにも設計を支援する多くのシミュレーション機能が用意されています。

  • Creo Ansys Simulation:Ansys のソルバーを用いた、より高精度な検証
  • Generative Design Extension (GDX): AI が最適な形状を自動生成するジェネレーティブデザイン。
  • Mechanism Dynamics: 動力学的な機構解析
  • Mold Analysis: プラスチック部品の樹脂流動解析

【関連製品ページ】

PTC が提供する CAE ソリューション(構造、流体、熱など)の全体像やメリットについては、下記製品ページをご覧ください。

Creo のシミュレーション機能一覧はこちら

CAE に関するよくあるご質問 (Q&A)

Q: CAD と CAE の違いは何ですか?

A: CADは製品の「形状」を作るための設計ツールで、CAE はその形状が壊れないかなどの「性能」を検証するための解析ツールです。一般的に、CAD で作ったデータを CAE で計算するという流れで使われますが、最近は Creo のように CAD の中に CAE 機能が含まれているソフトも増えています。

Q: CAE と CFD の違いは何ですか?

A: CFD(数値流体力学)は、CAE という大きな枠組みの中にある「一分野」です。CAE には構造解析や電磁界解析など様々な種類があり、その中で空気や水などの「流体」を計算するものが CFD と呼ばれます。

Q: CAE は初心者でも扱えますか?

A: 従来は専門家向けのツールでしたが、現在は設計者向けに使いやすく改良されたソフトが増えています。特に3D CAD に統合されたタイプ(設計者 CAE)は、専門的な設定を自動化してくれるため、初心者でも直感的にシミュレーションを行うことが可能です。

Q: 無料の CAE ソフトはありますか?

A: オープンソースの無料ソフト(FreeCAD など)も存在しますが、サポートがなく、設定や操作に高度な知識が必要な場合が多いです。

企業の業務で使用する場合や、これから本格的に始める場合は、サポートが充実し信頼性の高い商用ソフトの「無料体験版」から試してみることをおすすめします。

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まとめ:CAE で設計改革を始めよう

激しい市場競争の中で、複雑な製品を素早く開発しなければならない製造業にとって、CAE はもはや「特別なツール」ではなく「必須のツール」です。

  • 試作コストの削減
  • 開発期間の短縮(フロントローディング)
  • 実験不可能な環境の検証

これらを実現し、さらに企業の DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するためには、設計者自身が使える CAE 環境を整えることが近道です。

3D CAD と CAE が完全統合された「Creo」なら、設計業務の流れを止めることなく、スムーズにシミュレーションを導入できます。ぜひ、貴社の設計環境にも CAE を取り入れ、設計改革の第一歩を踏み出すことをご検討ください。

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