BOM(部品表)管理とは
BOM(部品表)管理とは、製品のライフサイクルを通じて開発されるすべての製品データを取得し、それを構成して管理することです。製品の規模や部品数にかかわらず、製造企業の成功には効果的な BOM(部品表)管理が不可欠です。
デジタルトランスフォーメーション (DX) は BOM 管理から始まる
製造業に携わる多くの企業は、製品のオプションやバリエーションの増加に対処するため、スピードや俊敏性の向上に取り組んでいます。自社開発のツールやプロセスでは、適切な製品情報のトレーサビリティと関係性を確認し、確保することが非常に困難になります。
部品中心のアプローチを取り入れてBOM(部品表)を管理することで、製造企業は、製品の構想段階から製造、デバイス接続、フィールドサービスに至るまで、プロセス全体でコラボレーションを促進できます。
設計、サプライチェーン、製造、セールス、サービスを包括的に接続するデジタル製品定義により、製造企業が即座にメリットを得るための 10 の方法をご紹介します。
早期段階から関係者に情報を提供
製品開発プロセスの早い段階から、関係者が情報にアクセスできるようにすることで、部門間のコラボレーションが促進され、市場投入までの期間を短縮できます。
多様な BOM(部品表)構成をサポート
部門ごとに BOM(部品表)ビューを用意し、各 BOM(部品表)ビューを互いに関連付けることで、部品間(CAD、電気、機械、ソフトウェアなど)でのトレーサビリティを確保できます。
包括的な構成管理
「クローズドループ型」のライフサイクルシステム統合を構築し、上流で定義された構成フローを、下流の構成済み BOM(部品表)へ自動的に組み込むことができます。
広範囲にわたる視覚化
製品開発プロセス全体で、視覚化機能とデジタルモデルを利用できるようになります。視覚化機能は部品の認識に役立ちます。また、デジタルモデルを利用して、下流のプロセスや成果物を最適化することもできます。
コンポーネントとサプライヤーの管理を強化
無駄とコストを削減して効率性を高めるには、部品の再利用がカギとなります。BOM(部品表)管理により、必要なとき、必要な部品をすばやく見つけて、再利用することができます。
変更管理とトレーサビリティの確保
製品は急速なペースで進化します。製品の定義に対する変更を容易に管理し、企業全体にわたり、製品開発の変更を成果物に反映させることができます。
コラボレーションと IP 保護の実現
関連する正確な最新データを共有し、最小限の修正でアクセスおよび使用できるようにすることで、生産性が最大限に高まります。同時に、知的財産 (IP) も保護できます。
BOM(部品表)ベースのレポートの作成
デジタル製品定義の理解を深めることで、特定の情報のクエリーや検索を行い、パターンを把握し、製品を解析できます。
BOM(部品表)の変換
元の BOM を、それぞれの部門に適したビューに変換できます。下流工程のユーザーは、設計図の作成を待たなくても、プロセスの早い段階で BOM(部品表)を計画できます。
BOM(部品表)管理ソフトウェアの主な機能
製品構成を包括的に管理し、すぐに利用できるようにすることで、モデルベースのデジタルスレッドを実現できます。下流工程のデジタルコンテンツは、(コピーされるのではなく)製造やサービスなどへの追跡可能なリンクによって関連付けられます。
可視化: 必要に応じてコンポーネントを読み込むなど、製品構成を 3D で表示し、干渉チェック、色分け検索、ビジュアル比較を Creo View で実行できます。さらに、これらのビューデータをプロセス計画、作業指示、カタログ、AR などに取り入れ、下流工程でフル活用できます。
編集: インライン編集、オートコンプリート検索、名前を付けて保存、スプレッドシートからインポート、CAD からの BOM の作成など、製品設計の作成と管理に役立つ機能が用意されています。
比較: 製品構成を比較して、部品、BOM(部品表)、CAD、ドキュメントなどの違いを明らかにし、相違点を 3D で確認できます。
交換部品と後継部品: 代替、代用、廃止など、交換部品の関係性を定義できます。
部品の分類: 部品の属性を定義し、グラフィカルナビゲーションや属性検索を使用して、部品を効率的に見つけられるようにします。分類型の名前付け規則により、部品を標準化できます。
オプションとバリエーション: 構成可能な製品プラットフォームを構築し、製造部品表 (MBOM) やプロセス計画など、設計および下流工程のニーズに合わせて構成や 3D 成果物を作成できます。
部品の AML/AVL: サプライヤーの部品情報を製品設計に紐づけ、汎用部品の優先サプライヤーを定義できます。部品リクエストプロセスで、サプライチェーンと設計部門の連携が可能になります。
組み込みソフトウェアの統合: SCM ツールのソフトウェア成果物を BOM(部品表)にリンクすることで、ソフトウェアを含む包括的な製品定義を提供できます。
お客様事例
部品中心のアプローチを取り入れて BOM(部品表)を管理し、デジタルトランスフォーメーション (DX) を推進している企業の事例をご紹介します。
BOM(部品表)の種類
サービス BOM (SBOM)
サービス部門は、EBOM(設計部品表)をもとに、関連する SBOM(サービス部品表)を作成できます。作業指示書の準備、サービスに関する部品と情報の管理、コネクティッド・フィールドサービスの整備に役立ちます。
BOM(部品表)管理を支援する PTC のソリューション
ServiceMax は、フィールドサービス管理のためのクラウドベースのソフトウェアです。リモートサービスと現地サービス、自動化、メンテナンス、契約、顧客によるセルフサービスを支援します。
部品中心のアプローチを取り入れ、唯一の正しい情報源を使用して BOM(部品表)を管理します。初期の構成段階から、すべてのイテレーション、設計サイクル、ステージ、製品リリースにわたり、真のクローズドループ型ライフサイクル管理を実現できます。