ブログ 部品主体の部品表 (BOM) とは?

部品主体の部品表 (BOM) とは?

2023年2月14日

Mark Taber is Vice President of Marketing. In his current role, Mark is focused on helping manufacturers drive digital transformation, with a foundation of PLM and the digital thread, within the enterprise and across enterprises.

Mark has more than 30 years of experience working in the areas of process automation, application integration, cyber security, and development. Prior to PTC, Mark was CEO of Active Endpoints (acquired by Informatica), a process automation firm. A graduate of the Wharton School, Mark currently lives in Raleigh, North Carolina.

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製造業のジレンマ: 複雑化する製造環境

ご存じのように、組立製造業では、市場投入までの期間や品質を妥協することなく生産性を向上させるため、あらゆる方法を模索して活用する必要性がこれまで以上に高まっています。このようなプレッシャーの背景には、製造業を取り巻く環境全体が複雑化の一途をたどっているという現状があります。設計サイクルは顧客の要望に応じるため短縮され、サプライチェーンの拠点はより広範囲に分散しています。また国際規制に加え、行政機関が国、州、自治体レベルで課している規制により、製造業の負担は増加する一方です。ユーザー主導の製品要件を満たすため、製造業は「マスカスタマイゼーション」のアプローチにより、顧客の要望に個別に応じた製品を提供するようになりました。技術の進歩により、高品質な製品を迅速かつ大規模に提供できるようになったとはいえ、そのプロセスはかつてないほど複雑化しています。

目標: 包括的で、部品主体の、デジタルな部品表

この複雑化の解消は戦略的に不可欠です。失敗は許されません。あらゆる方法、プロセス、技術を積極的かつ効果的に活用し、競争優位性を維持して高める必要があります。製造現場のデータを管理し、影響力を与え、活用する責任のあるリーダーにとって、製品の部品表 (BOM) を管理する方法は非常に重要です。また製造において生産的な企業間コラボレーション、市場投入までの期間短縮、妥協のない品質を兼ね備えた最高の成果を目指す企業にとって、部品主体で完全にデジタル化された包括的な部品表 (BOM) 管理戦略は、まさに成功させるべき目標なのです。

図面主体の製品定義: 今すぐ止めるべき

部品主体のアプローチのメリットをより明確に理解できるよう、「従来の」図面主体の製品定義と部品主体の製品定義を簡単に比較することで、より望ましい部品主体のアプローチと比較した場合の弱点を明らかにできます。

図面主体のアプローチは、数十年にわたる習慣に基づくプロセスの「名残り」であり、完全にデジタル化されたシステムが台頭する以前の方法です。その性質上、競争の激しい現代の製造市場には不向きです。図面主体の部品表 (BOM) 管理は手作業かつ作業の大部分が分離しているため、重大なリスクがともないます。また製品開発を妨げ、面倒なエラーが頻発し、付加価値のない手作業に依存し、デジタルトランスフォーメーション (DX) に向けた取り組みにも支障をきたします。

そもそも図面自体が非常に複雑であり、変更が加えられた場合は必ず下流工程に伝達しなければなりません。このプロセスが完了するまで、そしてそれが徹底されない限り、そのデータに依存する関係者は足止めされ、効率的に、あるいはまったく作業を進められません。

一方、変更時にすでに着手されていたプロセスは修正されないまま進行し、後に部品の誤発注や在庫超過、リリース日の遅れといった問題が発生する可能性があります。また、サイロ化された主要チームが同じ図面の異なるバージョンをもとに作業する場合、当然、製品構想はチームごとに ばらばら になります。言うまでもありませんが、図面主体の部品表 (BOM) 管理で発生するこのような課題は、連携が十分ではないレガシーシステムや、それらのシステムで利用されるさまざまな種類のデータによってさらに深刻化します。

部品主体の製品定義: 包括的なアプローチの活用

製造業が古い習慣から脱却して現代的な部品表 (BOM) 管理を成功に導くためには、部品主体のアプローチが必要です。実績のあるこのアプローチでは、部品表そのものが製品定義の基盤としてデジタル化され、完全に整合性の取れたデータで包括的な管理が可能です。部門を超えてリアルタイムで部品表 (BOM) 管理ができるため、コラボレーションが促進され、図面主体のアプローチではよくあるプロセスの摩擦も大幅に解消されます。

部品主体のアプローチがもたらす具体的なメリット

最新の製品定義がすべての関係者に正確に伝わり、同時に参照できるようになることで、収益性の向上と具体的な成果 が早々にもたらされ、以下のとおり、構想発案から最終版の製造までの製品ライフサイクル全体が相乗的に向上します。

  • 部品表 (BOM) は一元化された信頼できる製品データのリポジトリであり、信頼できる唯一の情報源としての役割を果たします。
  • 設計期間が短縮され、その時間を重要な変更の調整や確認に充てられます。
  • 変更および構成管理プロセスが合理化します。
  • 製品定義にさまざまな種類のデータを使用できます。
  • 設計意図が保護され、製造現場まで保持されます。
  • 設計と並行して生産計画を立てられるため、従来は順番どおりに行われていたプロセスを並行して進められます。

目に見えないメリット

部品主体のアプローチを採用した部品表 (BOM) 管理のメリットは本記事では紹介しきれないため、今後もこのブログで詳細をお伝えします。すべての関係者が自身の扱う製品データは常に最新で正確だと自信をもって作業できれば、目に見えないメリットも生まれます。それはどのようなものでしょうか。より自由な発想が生まれ、チームや個人同士がより活発に連携できます。このような良い流れは製品にも波及します。デジタル部品表 (BOM) で定義され、製造から市場投入までを関係者が管理した製品そのものが期待を上回り、真の成功を収められるのです。

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評価ガイド:

部品表 (BOM) 主体のアプローチを確立してデータを整理する方法をご確認ください。

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Mark Taber

Mark Taber is Vice President of Marketing. In his current role, Mark is focused on helping manufacturers drive digital transformation, with a foundation of PLM and the digital thread, within the enterprise and across enterprises.

Mark has more than 30 years of experience working in the areas of process automation, application integration, cyber security, and development. Prior to PTC, Mark was CEO of Active Endpoints (acquired by Informatica), a process automation firm. A graduate of the Wharton School, Mark currently lives in Raleigh, North Carolina.