製品技術事業部 PLM技術本部 営業支援部
シニアソリューションコンサルタント
金融システムエンジニア、ポイント/顧客管理システム営業、PM を経て PLM(製品ライフサイクル管理)製品 Windchill 担当エンジニアとして PTC ジャパンに入社。製品特徴やデータ管理の重要性、活用手法の説明を行うと共に、製品開発における組織上の課題を紐解くバリューアセスメントを顧客と実施し、第三者視点からの診断による開発業務の改革のきっかけ作りとロードマップ策定に従事。
カレーライスはインド料理を元にイギリスで生まれて日本に伝わり、明治時代以降に日本独自に発展し、今や日本の国民食のひとつとなっています。その材料例としては、水、カレー、ルー、牛肉、人参、玉葱、じゃがいもなどがあり、これらを適切な分量で管理し調理することで、安定した味が再現できます。この「材料と分量の管理」は、製品を効率的に作るために必要な部品表 (BOM) 管理と本質的に同じだと考えられます。
そこで今回は、カレーライスを例に挙げながら部品表 (BOM) の作り方を分かりやすく解説します。
記事の最後で PLM のお客様導入事例もご紹介しておりますので、ご興味ある 方はぜひ最後までご覧ください。
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それでは、部品表 (BOM) の作り方をカレーライスに例えてで解説していきます。カレーライスにはカツカレー、ビーフカレー、シーフードカレー、スープカレーなど様々な種類があり、種類に応じた食材や調味料が必要です。そのため、調理前に材料の種類や分量、作り方を整理することが重要です。
カレーライスを作る際に代表的な材料の例としては、水、カレールー、牛肉、人参、玉葱、じゃがいも、茄子、ピーマン、サラダ油、香辛料などが挙げられます。
これらの材料を部品表 (BOM) をイメージして図にまとめると、このようになります。
図2:とある日のカレーライスの食材と構成情報
図2のように、部品表 (BOM) は完成品を作るために必要な原材料や数量を表します。日本の製造業では主に「部品表」として知られており、製品の階層構造や必要な情報を体系的に紐付け、効率的に管理します。
製品開発には設計部門だけでなく、営業、製造、調達、サービス、営業、マーケティングなど多くの部門が関わります。部品表 (BOM) を活用して基礎情報を共有・連携することで、円滑かつ効率的なモノづくりを実現しています。
部品表(以下、BOM と表記)には、大きく分けて 2 種類あります。
「サマリー型部品表」は、先程のカレーの材料図のように、製品ごとに必要な部品や数量を一覧表の形式で横並びに記入する方法です。部品の追加や仕様変更があった場合でも対応しやすいのが特徴で、一目で製品に何がいくつ必要なのかが分かります。このため、部品の調達管理や製品同士の部品構成の比較に適しており、主に設計や技術部門で作成される設計 BOM としてよく用いられています。
「ストラクチャ型部品表」は、製品の製造工程に沿って部品を階層的に整理し、ツリー形式で必要な部品と数量を記載する方法です。製品が完成するまでの工程の流れをわかりやすく示せるため、リードタイムや予定工数の計算をするのに適しています。(図3参照)
ストラクチャ型の場合、図にある「具材」や「カレールー」のような中間品(仕掛品)も明示されており、それぞれの品目がどの段階で使われるのかが可視化されています。製造現場で工程管理を行う部門で作成・利用される製造 BOM として、このタイプが多く採用されています。
BOM をしっかり構築することで、さまざまな効果が期待できます。その一例は「設計変更」の管理です。
設計変更は、次年度モデルの検討や不具合対応などの理由で発生し、改修作業が始まりますが、古い製品が余ってしまうという課題が生じることがあります。これは在庫管理の重要な課題の 1 つです。こうした場合、新旧の切り替え日(エフェクティビィティ)を設計 BOM に組み込み、システム上で適切に反映させる運用を行うことで、在庫調整がスムーズにできるだけでなく、新旧切り替えの状況を可視化できるメリットがあります。
また、もう一つのメリットとして「逆展開」による親品目の特定が挙げられます。例えば、スーパーで買った玉葱が傷みかけた際にいかに早く消費するかを悩むことがあります。このような場合に、玉葱がどの料理に使われているかを部品表 (BOM) で逆にたどることができれば、効率的な消費計画が立てられます。
図4:玉葱の使い道を考える際に玉葱に対して逆展開を行うことで、玉葱の消費予測にも貢献
設計変更で特に苦労するのは「影響範囲の特定」です。ストラクチャ型部品表で構築されていれば、この確認作業の時間を大幅に短縮でき、共通部品の設計変更時も在庫との調整が容易になります。結果として、設計変更にかかる工数と在庫管理の負担の両方が軽減されるのです。
多くの企業が、手配工数の削減や原価管理を目的として部品表 (BOM) を扱えるシステムを導入しています。しかし、部品表 (BOM) を構築しても、思い通りに使いこなせている企業は意外と少ないのが実情です。
主な原因として、以下のような点が挙げられます。
部品表 (BOM) を正しく使いこなすことができれば、仕組みが変わり業務の効率化が進むため、経営面や実務面で大きなメリットがあります。しかし、部品表 (BOM) の仕組みを導入することがゴールではなく、正しく運用し続けることこそがスタートであり、その維持は非常に難しいものです。
これまで多くのお客様から下記のような相談や現場の話を伺ってきました。
PLM(製品ライフサイクル管理)ソフトウェアを活用すれば、BOMをはじめとした製品情報管理の仕組みを簡単に導入することができます。PLM(製品ライフサイクル管理)とは、Product Life Cycle Managementの略で、製品の企画・設計・製造・運用・保守といったライフサイクル全体において製品情報や業務プロセスを総合的に管理する仕組みのことを指します。
PLMソフトウェアは、製品ライフサイクル全体のデータ管理を支援するツールで、ドキュメント管理、CADデータ管理、製品構成管理、変更管理、プロジェクト管理、部品管理、要件管理、品質管理、製造工程管理、サービス工程管理などあらゆる製品データを一元管理します。PLMソフトウェアを導入することで、簡単にEBOM、MBOM、SBOMを連携し、複数部門で正しく部品情報を共有できるだけでなく、作業指示書やEBOMからMBOMの自動生成、目標原価の自動計算など業務効率化も実現可能です。
しかし、部品表 (BOM) を中心とした製品情報の一元管理には、様々なメリットがある一方で、現状に応じて適切な運用方法は多数存在します。仕組みだけを導入しても、運用が最適化されていないと先述したような問題が発生してしまいます。PLMソフトウェアを活用したBOM管理の最適化を進める際は、ツール導入だけでなく、自社に合った正しく運用し続けることができる方法を事前に設計することが重要です。
以下の資料では、PLM による部品管理の最適化方法やそのメリットを紹介しています。ご興味のある方は、こちらもご覧ください。
PLM を活用した部品管理のメリットや成功の秘訣について解説しています。
詳細はこちらPTCのPLMソフトウェア「Windchill」では、ただツールの導入をご支援させていただくだけでなく、お客様の課題感をヒアリングさせていただき運用時に発生しそうな課題の見える化と対策を事前にご提案させていただきます。さらにアセスメントシートを活用しお客様の組織全体におけるDX課題を一から見える化。PTCがグローバル企業と積み上げたベストプラクティス(実際に効果があった事例)をもとに総合的な解決策を提案することで、お客様が最短で最適なソリューションにたどり着くことができるようにします。
相談を受ける際には、「万能薬あれど特効薬は(今は)持ち合わせてない」と正直にお伝えしながら、現状の課題や将来の方向性について丁寧にお話を伺っています。本記事稿をきっかけに、システム以上に重要な部品表 (BOM) の運用維持のポイントや今後の在り方について、あらためて考えてみてはいかがでしょうか。
以下に PLM を活用して製品ライフサイクル全体を最適化した企業の導入事例を紹介しますので、こちらもぜひご覧ください。
【導入事例】
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