製品技術事業部 CAD 技術本部
プリンシパル・ソリューション・コンサルタント
1997 年 PTC ジャパンに入社。CAD/CAM/CAE 製品の販促活動および導入支援に従事する。その後、販売代理店様の案件対応や代理店様エンジニアの Creo のスキルアップを支援。現在、直接販売や間接販売に関わらず販促活動に従事する。特に、CAE 領域においては大学卒論から前職でも主な業務として従事し、現職でも一貫してシミュレーション製品のスペシャリストである。
Critical new security patches will be available on Tuesday, July 14. Customers are urged to plan accordingly and apply the patches immediately upon their release.
Learn MorePTC の旧正式名称はパラメトリック・テクノロジー・コーポレーションでしたが、現在の正式名称は PTC となっています。3D CAD も当初の Pro/ENGINEER から現在の Creo へと進化しました。しかし名前が変わったからと言って、Creo と Pro/ENGINEER は考え方やデータの仕様が大きく変わったわけではなく、連続した進化の一環と言えます。
Creo の特徴は今も変わらず下の 3 つです。
今回はパラメータ駆動に注目して、Creo の公差設定機能とメリットを紹介します。
記事の最後で Creo のお客様導入事例もご紹介しておりますので、ご興味ある方はぜひ最後までご覧ください。
Creoに関する詳細はこちら
Creo はJIS B 0405 で指定された「面取り部分を除く長さ寸法に対する許容差」や「面取り部分の長さ寸法(角の丸みおよび角の面取り寸法)に対する許容差」の公差テーブルを標準的に持っています。それに加えてJIS B 0401「はめあい公差」についても英記号と数字(等級)で定義を行うことが可能です。JIS B 0405 と同様に寸法区分もシステムが自動的に判断するため人為的なミスを排除できます。
公差の指定はこれら公差テーブルを活用するものだけでなく、必要な箇所に個別に定義できます。
下図のように公差を定義した箇所はその上下限と中央値、そして公称値に形状自体を変更できます。
上の図では図の右側のコマンドメニューにあるように、「すべての設定」を「(寸法の)上限」に定義するように指示しています。その際、形状の測定結果が3D 注記のように寸法が 300±0.5 で定義されている箇所は 300.5 に、100±0.3 の個所は 100.3 になっています。さらに注目してほしいのは寸法区分による公差が「0.5」「0.3」「0.2」と上述した JIS B 0405 に準拠した結果となっている点です。
必要な寸法を上限にしたり下限にしたりして、個々の寸法に対する設定が可能なので、最大最小法だけになりますが、3 次元空間で公差込みの干渉チェックが可能です。
Creo が Pro/ENGINEER と呼ばれていた以前、私が Pro/ENGINEER を PTC で操作し始めた 25 年前の Pro/ENGINEER Version 16 のころには既にこの機能がありました。当時の私は非常に大きな驚きと先進の技術に触れて、とても嬉しかったことを強く記憶しています。
サイズ公差と幾何公差、古くから使われているのがサイズ公差(旧 寸法公差)で、上述している 100±0.5 という表記はサイズ公差です。最近ではサイズ公差と併記して幾何公差で指示されることも増えてきています。残念ながらサイズ公差だけでは形状を示すのに不十分であることが分かっています。
上図のようにサイズ公差を満たしていても部品として機能を満たさない場合があります。サイズ公差では 2 点の距離のみを対象にしているため部品中央部の2 つの面が曲面であっても公差は満たされてしまいます。正しい形状にするためには2 つの面は平行であると同時に、平面である必要があります。
ここでサイズだけでなく、「平行」や「平面」という言葉が数学の幾何学的な言葉で、その許容範囲を示したものが「幾何公差」です。
よく日本と海外のサプライヤー間の不具合が発生する要因の一つとして、この「幾何公差」がしっかりと定義・伝達されていないことが挙げられます。そのため、幾何公差の定義は設計品質を高めるために非常に大切な要素です。
Creo では幾何公差の定義を支援する Creo GD&T Advisor という拡張機能があります。ユーザはシステムのガイドに従って幾何公差を定義できるため、抜け漏れや矛盾のない幾何公差を付加できます。
サイズ公差や幾何公差の次に重要な、やはり公差解析です。
公差解析の詳細についてはこちらのブログで解説していますので、ぜひご確認ください。
ここでは、1D 公差解析の Creo EZ Tolerance Analysis Extensionについて紹介します。下図が起動している状態です。
Creo EZ Tolerance Analysis ExtensionはCreo で作成したネイティブ3D モデルだけでなく、STEP 形式などの様々な 3D CAD モデルを取り込んだ形状に対しても利用できる超簡単 1D 公差解析ツールです。
実は公差解析は簡単ではありません。仮に出来上がった部品でも「どのように組み付けるか」で結果としてできるであろう「スキマ」の振る舞いが異なるのです。3 次元空間では 3 つの並進方向の自由度と、 3 つの回転方向の自由度があり、これら 6 つの自由度を確定することで位置が決まります。
私自身工場の製造ラインで経験したことですが、ある面を基準に組み付けると「スポっと」嵌まるのに、違う面を基準に組み付けると上手く組み付かなかったり、あるいは部品をクルクルと回転させると上手く組み付いたりといったケースに遭遇します。このような現象を設計段階で意図しているか否かは定かではありませんが、現実に起こり得ることです。
本来であれば製品設計を完全に検討することができれば理想的なのですが、実際には分業化が進んでいるため詳細な組付け検討は生産技術で担当する場合が多く見受けられます。だからと言って製品設計側で何も検討しないで良いとはいえず、せめて 3 つの並進自由度のうち 1 自由度ずつ独立して確認しておくことが推奨されます。そこで有効なのがここで紹介しているツール「 Creo EZ Tolerance Analysis Extension 」です。
Creoに搭載されているGD&T Advisorなどの幾何公差解析ツールについての詳細は、eBook「Creo モデルベース定義 (MBD) 機能の進化」をダウンロードして確認してみてください。
公差は、製品の性能や作り易さを決定する非常に大切な要素です。公差が零(ゼロ)という物はほぼ製作できず、仮に完全な形状を作ろうとすれば甚大なコストがかかります。しかし適切な公差の設定により性能や作り易さを両立させることは可能です。
以下に Creo を活用して設計業務を最適化した企業の導入事例を紹介しますので、こちらもぜひご覧ください。
【導入事例】
• UD trucks社 | 3D データで、意思決定を迅速化
• シンクロン社|過去データの継承と採番・BOM作成など業務効率アップを実現
• パナソニック社|照明設計をCreoに統一。データ共有の質を向上
導入事例をすべて見る
Creoを今すぐ購入