産業向けのデジタルトランスフォーメーションの状況
Introduction
世界中の企業が、予測不可能で前例のない 2020 年を乗り越えてきました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大とそれに伴う経済の不安定化によってビジネスの脆弱性が露呈し、多くの企業が過去、現在、未来の戦略について深く検討するようになりました。
この混乱の中でも変わらなかった点は、デジタルテクノロジーの利用が増加していたことです。IDC 社によれば、これらのプログラムのデジタルトランスフォーメーション (DX) テクノロジーおよびサービスに対する 2020 年の支出は世界全体で 1 兆 3,000 億ドルでした。
メーカーを対象とした PTC の世界規模の調査では 92% がすでに DX への取り組みを開始しており、この傾向を裏付けています。その一方、PTC の分析から DX 戦略には成熟度に応じた段階があることが判明しています。それは、プランニング、実証実験、展開の 3 つです。達成可能な価値に対する考え方は各段階で変化し、最初は価値がどこにあるかを理解すること(プランニング)、次に価値が存在すること、または実現可能であることを証明すること(実証実験)、そして最後に価値を組織全体に拡張すること(展開)となります。
どの段階にあるかによって、企業のニーズ、プロジェクトの優先事項、盲点は異なります。このレポートでは、PTC の世界規模の調査から判明したデータに基づくインサイトと重要ポイントを取り上げ、各段階のお客様事例に基づく推奨事項を補足します。最終的に完成するフレームワークは、産業組織が DX への取り組みのどの段階にあるのか、またその優先事項は市場と比べてどのような位置付けにあるのかを判断するためのベンチマークとして使用できます。
調査手法と企業の特性
PTC は毎年、世界中のメーカーに所属する上級レベルのリーダー 360 名以上を対象に調査を実施し、各社のデジタルトランスフォーメーションの状況を定義しています。回答者は、それぞれの企業で DX に関する意思決定を行う役職や影響を及ぼす役職に就いています。この DX リーダーたちは、さまざまな地域の組立製造業およびプロセス製造業のさまざまな部門に属しています。
産業界における DX の状況
重要ポイント 1:DX には年間 100 万ドル(またはそれ以上)の投資が必要である
デジタルトランスフォーメーションプログラムの過半数 (77%) で年間 100 万ドル以上を支出しており、そのうち 30% は 500 万ドル以上を支出しています。大企業(収益 10 億ドル以上)は DX に多額の予算を計上しており、約 50% がデジタルトランスフォーメーションプロジェクトに年間 500 万ドル以上を支出しています。
DX プログラムへの支出額が 100 万ドル以上 / 500 万ドル以上であると回答したメーカーは、工業製品製造業(重機、機械類)およびその他の組立製造業(医療機器、耐久消費財、アパレル)が最多数でした。100 万ドル以上はそれぞれ 83% と 84%、500 万ドル以上はそれぞれ 36% と 34% となっています。
重要ポイント 2: DX 戦略と予算を握るのは CxO である
DX の年間支出が通常 7 桁レベルである企業の場合、戦略と予算の責任を CxO(CEO、CIO、CTO など)が負っていると考えられます。回答者の約 90% が、DX 戦略のリーダーは CxO であり、どの企業でも似たような数の CxO が DX 予算の管理も担っていると答えています。
DX プログラムのリーダーシップ
DX プログラムの 71% でテクノロジー中心の CXO(CIO、CTO、CDO)を戦略的リーダーとしており、60% でこれらの CXO が予算の責任を負っています。テクノロジーリーダーがデジタルプロジェクトにおいて重要であることに疑問の余地はありませんが、技術第一主義のプログラムはビジネス面での影響力に欠けることがあります。通常、ゼネラルマネージャーと部門のリーダーは DX プログラムのメリットを享受できる立場にあるため、ある程度の影響力を持つ必要があります。
組織全体の権限範囲を考慮すると、デジタルのベストプラクティスとビジネスモデルを活用するために部門間の文化的シフトを実現できる最適な位置づけにあるのは CEO です。
重要ポイント 3:DX の目標は、コスト、成長、エクスペリエンスに 3 分割されている
成功するデジタルトランスフォーメーションには高いレベルの目標があり、それが財務および業務の指標と関連付けられています。回答者が挙げた DX の目標は、コスト / 効率性、成長、品質 / エクスペリエンスの 3 つに集中していました。結果はほぼ均等で、DX が幅広い範囲に適用可能であることを示しています。
DX が促進する戦略的目標
初期の DX への取り組みの焦点を業務の効率性改善に当てていた企業は、多くの場合、成長およびエクスペリエンスに焦点を当てた目標への投資に移行しやすいものです。新型コロナウイルス感染症による苦境にある現在の経済では、多くの企業(Gartner 社によると 62%)が、この「コスト第一主義」という姿勢をとっています。
コストの削減による効率性、生産性、利益の改善
メーカーは常に、コストの削減と利益の改善を実現できる領域を探し求めています。デジタルトランスフォーメーションを介して対象とされる領域は以下の 5 つです。
- 設備稼働率:機械、装置、その他の産業用設備の利用可能性、信頼性、パフォーマンスを強化することで、総合設備効率 (OEE) を 11 ~ 30%、ダウンタイムを最大 30% 改善できます。
- 従業員の生産性:新入社員研修の効率を高めることで、その内容をより効果的なものにすることができます。全体的な作業効果を改善するために、組立、テンディング、メンテナンス、サービスなどの業務を担当する既存の作業員の効率性を高め、必要な支援を提供します。
- 売上原価:企業が販売する製品の製造に必要な材料と労働力を含む直接コストを削減できます。
- 業務および製造コスト:業務の継続性の維持に関連する間接費および製造コスト、ならびに製品の製造に関連するコストを削減できます。その他の関連指標として、人件費、材料費、エネルギー支出、消耗品費、設備投資などがあります。
- サービスコスト:サービスライフサイクル全体で労働力、設備、部品、顧客に関連するコストを削減できます。出張対応、初回修理完了率、設備のダウンタイムなどのサービスチームの指標を改善します。
製品イノベーションを介した飛躍的な成長の実現
組織は、高成長市場のシェアを獲得できる可能性のある新しい領域に大きく投資します。Deloitte 社の分類によれば、業界リーダーはコストよりも成長を優先する傾向があります。
- 市場投入までの期間:製品開発(設計作業の繰り返しにかかる時間の削減)および製造(スループット、サイクル時間)の指標を含め、新製品および既存の製品を顧客に届けるまでにかかる時間を削減します。
- 新製品の市場投入:新製品の市場投入および開発の速度を含め、製品開発プロセスで割り当てられている時間を削減します。
- 新しいビジネスモデルの導入:「プロダクトアズアサービス」など、新しい収益源を開拓するための代替手法を策定します。
- スループット:製造速度およびボリュームを増加させることで、製品の製造プロセス完了までにかかる時間を削減します。
品質の改善と顧客エンゲージメント
顧客中心というスタイルの確立はメーカーが長年追い求めてきた目標であり、この目標を実現するにはいくつかの形式があります。
- 製品の品質:パフォーマンスが確保された高品質なカスタマイズ製品を一貫して製造します。製造のスクラップと手戻り、さらに現場での不具合やリコールなどの顧客に及ぼす業務上の影響を削減します。
- カスタマーエクスペリエンスおよびエンゲージメント:製品、機能、サービスなどを既存の顧客への提供モデルに追加することで、エクスペリエンスとエンゲージメントが改善されます。推奨者正味比率、使用率、顧客の言葉によるフィードバックを介して、製品およびサービスに対する顧客の認識を含めます。
- サービス品質:サービスオペレーションの信頼性、応答性、共感性を高めます。社内のサービス指標(出張対応)および平均修理時間を含む顧客向けの指標を最大 83% 改善できます。
重要ポイント 4:92% のメーカーが DX への取り組みを開始している
組織の大多数 (92%) がデジタルジャーニーのいずれかの地点にありますが、成熟度に関しては 3 つに分散しています。約半数 (51%) はまだ評価中(プランニング)または実験中(実証実験)ですが、そろそろ転換点に近づいています。デジタル面で停滞する企業の割合は減少しており、IDC 社の予測によれば、75% の組織が 2023 年までに包括的な DX 導入ロードマップを用意するとのことです(現在は 27%)。
重要ポイント 5:DX の導入をどの程度進めているかによって優先事項と課題が決まる
DX の成熟度については、地域と業界で明確な相違があります。DX への取り組みの展開段階にあると答えた回答者が最多であったのは北米です。一方、実証実験段階にあると答えた回答者が最多であったのは APAC で、EU は双方が均衡していました。業界の過半数 (57%) が展開段階にあり、実証実験段階にあるのはわずか 30% です。自動車業界と消費財業界
では、実証実験(それぞれ 36% と 38%)と展開(39% と 40%)が均衡しています。
地域ごとのプロジェクトフェーズの状況
各プロジェクト段階にある回答者がランク付けしたベンダー機能の重要性
企業が DX への取り組みのどの段階にあるかによって優先事項が決まるため、各段階にある企業の優先事項をベンチマークしました。DX リーダーは、各段階に内在するバイアスを認識し、DX への取り組みにおいて次に何が重要になるかを把握できる必要があります。
次のセクションでは、企業が抱く疑問、および DX への取り組みのどの段階にあるかに応じて決まる優先事項について取り上げ、戦略的なガイダンスを提供します。
DX の成熟度段階
価格モデル:コストはいくらになるか?
多額の投資に関して CxO からよく寄せられる疑問は「コストはいくらになるか?」というものです。プランニング段階の回答者が最も頻繁に引用した基準が「価格モデル」であったことは驚きに値しません。DX への取り組みでは、ソフトウェア、ハードウェア、サービスなどへの新しい多様な投資を数多く行うため、コストの定義は複雑でありながら必須の作業となっています。注目すべきトレンドの 1 つは、「従量課金制」のサブスクリプションソフトウェアモデルが、従来の無期限ソフトウェアライセンスに必要だった多額の先行資本投資を不要にしていることです。IDC 社によれば、ソフトウェア収益全体の 53% が、2022 年までにサブスクリプションからのものになるとのことです。
堅牢なセキュリティ:発生する可能性のあるリスクはどの程度か?
どこでもインターネットへの接続が可能になりつつあることに加え、モバイルワーカーおよび機密性の高いデジタルの知的財産という新たな要素が登場したため、サイバー攻撃の標的となる領域が広がり、セキュリティ戦略の必要性が高まっています。2020 年のビジネス上の懸念事項トップ 5 に入ったサイバーリスクは、新型コロナウイルス感染症に応じた組織での最大の技術的優先事項とされています。このため、堅牢な情報セキュリティ機能の評価が、重要なビジネスシステムと連携する DX ソフトウェアの選定の前提条件となっています。
ベンダーの規模 / 財務面での安定性:目の前に迫った未来に対応できるか?
多くの企業が、現在および未来の DX 目標を達成できるように、ベンダーの規模と財務面での安定性を考慮しています。5 年間以上続いている DX プロジェクトのほとんどで、DX の購入企業は長期的なプロジェクトを実施するために、ベンダーの現実的な「寿命」を評価しなければなりません。
プランニングに関する推奨事項:精査による社内評価
企業が DX パートナーの候補を厳格な評価によって選定すべきであることに疑問の余地はありません。ただし、従来の購入基準に従っている企業は、以下の点を自問して自社についても厳格な評価を行う必要があります。
- これにより、ビジネス戦略および目標が実現または促進されるか?
- この投資から得られると考えられる財務面での影響はどのようなものか?
- この価値を獲得するには、どのように計画を立てるべきか?
新しい DX プログラムのリーダーは、DX の目標をビジネス戦略と直結させることができなければなりません。ビジネスの優先事項および関連する財務面での促進要因を DX への取り組みと関連付けることで、経営幹部の賛同と協力を得やすくなります。財務面での影響から価値を引き出す作業では、DX プログラムが及ぼす金銭面での影響を予測します。
これらの社内作業を頻繁に実施することで、価値を獲得するための具体的なロードマップが実現し、必要なリソースを調達するためのガイダンスが得られます。プログラムのロードマップ全体で段階的にマッピングまたは「価値のプランニング」を行えば、スケジュールに遅延が生じることはなく、さらに適切なリソースを割り当てることでペースが速まります。
たとえば、自動車メーカーが戦略的差別化のために最高レベルの製品およびサービス品質を維持することが必要である場合(自動車メーカーの回答者はこれを最大の DX 目標として挙げています)、DX 計画でその目標を実現または促進しなければなりません。スクラップと手戻りのための製造コストの削減は財務面での影響を示す関連指標であると同時に、現場での不具合、リコール、顧客満足度にも影響します。
幅広いテクノロジー:テクノロジーを適用できるほかの領域は?
多くの企業が、実証実験段階で、エンタープライズ規模のシミュレーションシナリオにおける多様な目標と関連ユースケースを試しています。このため、この段階にある企業は、複数の異なる実証実験と多数の有効なテクノロジーを実現するために、幅広いテクノロジー機能を備えたベンダーを重視します。
最高水準のテクノロジー:これは市場で最高のテクノロジーソリューションか?
企業は、最新かつ革新的で最高水準のテクノロジーを使用した実証実験を望みます。多くの企業が評価基準に外部のソースを利用してどのテクノロジーが最高水準かを判断していますが、それぞれの企業が自社に固有の可変要素を優先し、どのテクノロジーが自社にとって「最高」であるかを判断すべきです。
業界経験 / 専門知識:過去に経験はあるか?
多くのユースケースを見据える企業では、実際にこれらのソリューションを導入した業界経験のあるベンダーを採用することで、プロジェクトの完了にかかる期間が 1 年になるか 5 年になるか、また財務面をわずかに改善できる程度か 2 桁レベルの影響を与えるかの違いが生まれます。実証済みの業界および分野に関する専門知識を備えるベンダーは、実証実験の課題を克服するためのノウハウを知っています。
実証実験に関する推奨事項:付加価値の高いユースケースを優先する
残念なことに、実証実験段階は、多くの DX プロジェクトが失敗に終る段階です。デジタルプログラムをこの段階から拡張できた企業はわずか 30% です。このような失敗を引き起こすのは、市場における 2 つの誤解に基づく傾向です。それは、テクノロジー主体のユースケースを優先すること、そしてあまりにも多くの並行ユースケースを追求することです。企業は、以下の点について検討することで失敗を回避できます。
- 実証実験プログラムの成功を評価し、測定するにはどうすればよいか?
- このデジタルプログラムの価値を証明するにはどうすればよいか?
多くの DX チームは「パンドラの箱を開け」、画期的なテクノロジーを活かした多数のユースケースにとりつかれてしまいます。実際、平均的なメーカーは 8 つのデジタルプロジェクトからスタートし、その 75% が拡張に失敗しています。そうではなく、最大のビジネス価値を促進するユースケースを優先して成功の基準を定義する必要があります。
PoC(実証実験)地獄を阻止するために、企業には付加価値の高い 1 つまたは 2 つのユースケースを優先して実現するロードマップが必要です。この優先度決定プロセスには多くの要因や阻害要素が関係してくるため、価値獲得までの時間に影響が及びます。肯定的な要素と否定的な要素を比較検討することで、下流での課題が減少します。これが手間のかかる既存のテクノロジー統合の場合、長期に及ぶ製造のダウンタイムが発生したり、DX ユースケースに解析モデルを取り入れるために必要な運用データをばらばらの場所から何の関連性もなく調達しなければならなくなったりします。
最初のユースケースの価値を、その影響を測定して証明することは、継続的なプログラムへの投資およびプログラムの拡張を強化するための主要な検証手法です。価値を定量化し KPI の改善度を測定するベンチマークを導入することで、関係者に対するユースケースの影響を証明できるでしょう。
最高水準のテクノロジー:製品、プロセス、人材のすべてにわたって最高のテクノロジーを使用しているか?
DX ユースケースは財務面から促進する必要がありますが、DX の中核はテクノロジーです。具体的な改善点を引き出すには、実現するユースケースの基盤となっているテクノロジーが信頼できるもので、拡張可能でなければなりません。
グローバルな提供モデル:このプログラムを世界中に展開できるか?
はっきりとしたメリットをもたらす DX ユースケースの導入に成功すると、その範囲は世界全体に拡張します。展開段階にある DX 導入企業は、グローバルな提供モデルをもつプロバイダーを重視し、複数の地域、部門、サイトにユースケースを拡張するための手段を準備します。これらのグローバルな手法には、クラウドコンピューティングのような拡張性の高いテクノロジーや、地域および業界パートナーとの戦略的連携の利用などが含まれます。
ビジョナリー / オピニオンリーダー:プログラムは時間の経過とともにどのように進化するか?
経済、ビジネス、テクノロジーが混乱の波にのまれ続ける中、DX パートナーはトレンドの先頭に立ち、ビジョナリーまたはオピニオンリーダーと目される存在となることが重要です。先見の明をもつベンダーとパートナーシップを組み、ロードマップを連携させることで、この混乱の大きな波の影響を弱めることができます。
展開に関する推奨事項:プログラムのサポート、スピード、規模で成長を実現
企業は一般に、1 つのユースケースを展開してから次の行動について検討します。多くの企業は最初の成功を組織全体で再現する準備が整っておらず、再現できた場合に増大する財務面での価値を認識できていません。プログラムのペースが落ち、時間のかかるユースケースが積み重なっていくと、画期的な成果を上げることができなくなり、はっきりと認識できるメリットがなくなるため資金不足となるリスクがあります。以下に、展開段階にある企業がこれらのメリットを認識するために確認する必要があるいくつかのポイントを示します。
- 自社のテクノロジーエコシステムはプログラムの成長を支えているか?
- 広範囲でプログラムを迅速に実現するにはどうすればよいか?
- プログラムのガバナンスを確保するにはどうすればよいか?
企業は、業界パートナーの協力を得て、テクノロジーを社内に埋め込み、テクノロジーエコシステムを形成する必要があります。エコシステムは、バリューチェーン全体で多数のユースケースをサポートするエンタープライズアーキテクチャーを構築するための鍵となります。デジタルネイティブなパートナーと連携して拡張性に優れたクラウドインフラストラクチャーと産業 IoT プラットフォームを導入することは、メーカーのエンタープライズアーキテクチャーに共通の要素です。
DX の究極の目標は、世界規模で前例のないスピードを達成し、財務面の影響を大きく増大させることであるべきです。
部門間で容易に採用できる繰り返し可能な DX プロセスを確立すれば、拡張性が高まります。作成するプレイブック(計画書)は、ユースケースをさまざまなシナリオで採用するための方法を説明するレシピとなります。また、プレイブックには、ベストプラクティス、ユーザーの役割と責任、ガバナンスモデル、ロードマップのための学習リソースを含めることができます。
これらのプレイブックを、部門を越えて活動するチームが目標と「実用最小限の製品」に向けて 2 ~ 4 週間のスプリントで活動するアジャイルプロセス手法と組み合わせます。ユースケースを導入するほかのチームと協力して同時に業務を実行できるようにすることで、明らかな文化的な変化が起こります。チームリーダーがほかの部門のユースケースの展開に関与することで、プロセスを明確に把握できるようになり、組織の壁を超えた知識共有が促進されます。
プログラムが拡大していく中で、ガバナンスモデルを介して複数のグローバル展開を並行して管理する機能は、規模拡張を後押しするうえで重要です。社内の関係者と外部のパートナーから構成される運営委員会を結成することで、連携を確実なものとし、チーム全体の説明責任を明らかにできます。また、プランニングから実証実験、そして展開へのスムーズな移行が促進されます。
デジタルが組織の戦略的支柱となる時代の到来
新型コロナウイルス感染症は、経済に不確実性をもたらしたものの、デジタルプロジェクトを遅延させなかっただけでなく、多くのケースでさらに押し進めました。41% の企業が最初のプログラムスケジュールを継続し、25% が DX プロジェクトを新規に開始した、またはスピードアップしたと回答しています。93% のデジタルリーダーは、感染拡大前に行っていたデジタル投資のおかげで、より迅速に対応できたと主張しています。
デジタルは私たちの世界に浸透しました。そして、今後 10 年間、またその先も、「デジタル停滞企業」ではなく「デジタルリーダー企業」が競争を制する世の中になっていくでしょう。PTC のデータを利用して DX プログラムの現状のベンチマークを行い、優先事項と目標が現在の段階に適したものであることを確認してください。また、PTC の推奨事項に基づいて行動することで、比類なき影響力、妥協なきスピード、制限なき拡張性を前例のないほどの短期間で実現できます。
クレイグ・メルローズ
デジタルトランスフォーメーションソリューション担当 EVP
ニック・リーダー
デジタルトランスフォーメーションソリューション担当 VP
デイビッド・インマーマン
シニア・リサーチ・アナリスト