製造業では生産性を継続的に最大化するため、数十年にわたってさまざまな指標を導入してきました。最新の ThingWorx Digital Performance Management には、可視性を高め、パフォーマンスのボトルネックを特定する強力なツールが新たに備わっています。これにより、信頼できる情報に基づいて改善を行い、設備稼働率を向上させるための取り組みをリアルタイムで実行できます。確立された原則に基づくこのクローズドループ型のデジタルシステムは、工場の性能を最適化するために、独自の新しいコンセプトを中心に設計されました。そのコンセプトとは、パフォーマンスを測定するために標準化された共通指標、つまり、生産のロス時間です。
製造の生産性を測定する従来の指標、たとえば設備総合効率 (OEE) は有用ですが、異なるシステムから得られた数値も計算に使われます。そのため、パーセントによる指標をビジネスユニット間や生産ライン間で比較するのが難しく、客観的な比較というより、主観的な比較となっているのが現状です。このような値は方向性を示す場合や振り返る場合には有効ですが、インサイトを得て企業全体の生産性を高める意思決定を行うまでには、数日、数週、あるいは数カ月の遅れが生じる可能性があります。
このような異なるデータの流れを役割や部門の異なるチーム間で分析する際、たいていは生産プロセスの 1 つ以上の面に関連した、パーセントによる指標が使われます。このような指標が OEE のような決められた方法に沿って集計された場合、過去のある時点での実際の情報を基にインサイトを導けます。しかし、意思決定を行う頃にはその精度が低くなっていることも考えられます。
どの部門にとっても正確で有効な意思決定を行うには、データをリアルタイムで参照し、同じ基準で分析できなければなりません。DPM では一貫した方法で生産データを収集して正規化し、製造パフォーマンスの変化を割合ではなく、ロス時間という指標に標準化して提供します。
ロス時間を指標に用いたことで、役割や部門の異なるユーザー同士の認識が一致し、その結果、継続的な改善目標に沿って生産性を向上させる取り組みがスムーズに連携されるようになりました。経営幹部も標準化された指標を用いることで生産時間の節約やロスを確認して損益への影響を算出できるため、パフォーマンスをより明確に把握できるようになりました。
工場管理者やエンジニアリングのリーダーは、ロス時間の非常に詳細な内訳に応じて、リアルタイムで効率的に対応できます。工場の作業員々も、必要な情報を必要な時に必要な場所で、標準化された方法で入手できるため、日々変動する生産ラインの動きを可視化されたデータで確認して把握できます。これにより、継続的な改善活動に対する認識、取り組み、管理の向上につながります。
Digital Performance Management を発明したのは私たち PTC ではありません。お客様です。DPM は、お客様から教わった基本原則に基づいています。このシステムはお客様自身で実証済みのベストプラクティスに基づき、多くのユースケースを元に進化しました。また、何がうまく機能していないのかを厳密に分析することから情報を得ています。Digital Performance Management の価値は、お客様が一貫して強化してきた「時間を制し、シフトを制し、1 日を制す」という重要な原則に集約されていると私たちは考えています。
PTC はお客様からの学びをもとに、ある目的を持って Digital Performance Management を開発し、実用化しました。その目的は、時間を指標とすることです。こうして、初めて、お客様は標準化された指標に基づき、生産とビジネスを管理できるようになりました。この指標によってチームは共通した認識を持ち、アクティブでリアルタイムな情報を用いてこれまでのリアクティブな意思決定を改善できるようになります。
Digital Performance Management を特徴付ける戦略と技術には、刺激的で多面的なストーリーが内包されています。このブログでは今後、そのストーリーをご紹介します。今後も PTC のブログをご確認いただき、最新情報にご注目ください。
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