産業用 AR コンテンツを作成し共有するソリューションである
Vuforia Studio は、コンテンツを表示する時のターゲットとして、ThingMark、イメージターゲット、空間ターゲット、モデルターゲットを使用できます。
ターゲットとは AR コンテンツをどこにどのような大きさで表示するかを決める目印のようなものです。
ThingMark はコンテンツの呼び出しも行うことができ、マークの位置からの相対的な場所にコンテンツを表示できます。
イメージターゲットは任意の画像を指定できるので、自社のロゴなども使用することができます。
空間ターゲットは平面を認識して、任意の場所にコンテンツを表示できるため、プロモーションや製品デモでも使いやすいターゲットです。
今回の話題は残りのひとつ、モデルターゲットです。
モデルターゲットは 3D モデルデータを使用して、その外形線をメインとして認識をさせるターゲットです。
モデルターゲットは ThingMark やイメージターゲットのように追加のマークや画像を使用しないので、設備や製品のデザインを損ないません。また、マークや画像を汚損する心配もありませんので、工場内などの環境でも効果を発揮します。
ただし 3D モデルが無いとモデルターゲット自体が作成できませんので、これまで Vuforia Studio を触ったことがあってもモデルターゲットは試していないという方もいらっしゃるかと思います。
3D モデルは CAD を使用して作るか、既にある 3D モデルを使用するのが一般的です。さらに最近は iPad Pro などに搭載されている LiDAR を使用して 3D スキャンして作成する方法もあります。
そのようなソフトウェアやデバイス、更には実際に認識する設備や製品がないけれど、モデルターゲットを試してみたいという際に使用できるサービスを紹介します。
MECABRICKS.com
これはブラウザ上でブロックを組み立てて 3D モデルを作成できるサービスです。ブロックの各種パーツが揃っていますので、CAD の知識がなくても実際のブロックを組み立てるようにパーツを配置してモデルを作成できます。
出来上がったモデルは obj や stl などの形式でエクスポートできます。
これを Vuforia Studio 上で使用することで、モデルターゲットの作成を行うことができるようになります。(もちろんコンテンツとしても使用できます)
家にブロックがあれば、作成したモデルと同じように組み立てて、モデルターゲットによる認識を試すことが可能です。
一点だけ注意点があります。このサービスで作成されたモデルですが、なぜか寸法が非常に大きいです。実際のブロックのサイズに近づけるためにモデルのスケールを 0.08 程度にすることをお勧めします。更に正確に修正されたい方は CAD 上でサイズ調整してみてください。
「いや、これおもちゃでしょ?」と思われるかもしれません。
しかし、ターゲットを作成するときにどんな 3D モデルが適しているか、どのような物をターゲットにするべきか、トラッキングはどんな様子で動作するのかなどを確認するために使用することができます。
実際に上記のような検討をこちらのサービスを使用して試されているお客様もいらっしゃいます。
なにより、自分でモデルを作って、AR コンテンツの作成するのは楽しいですので、機会がありましたら、ぜひお試しください。
実業務における AR の活用につきましては
こちらの Web セミナーでご紹介しています。ぜひご覧ください。
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執筆者について
豊福 泰斗
製品技術事業部 プラットフォーム技術本部
プリンシパル・テクニカル・スペシャリスト
アプリケーションビジネス20年、プリセールス業11年、IoT歴4年。
PTCには2018年4月に入社し、IoT / AR製品のプリセールスを担当。
主にプロモーション、パートナー様のビジネスのサポートを担当。