IoT 製品の設計に役立つヒント: モデル駆動の IoT コードを活用

執筆者: Michelle Boucher
  • 12/14/2016

スマート コネクティッド プロダクツが持つ大きな可能性には、イノベーションを生み出す大きな力があります。問題は、新製品の開発プロセスはただでさえ複雑ですが、こうした製品を開発する場合はさらに複雑性が増すという点です。


複雑性に対処するためのステップ

すでに多くの製品が、メカニカル コンポーネントや電子機器、組み込みソフトウェアで構成される複雑なシステムに発展しています。現在では各社がモノのインターネット (IoT) を利用して、こうしたシステムを新しいエコシステムに拡大しています。すでにシステム開発関連の問題の多くは、複雑性が根本原因になっています。複雑性に対処するステップを踏むことが、こうした問題を解決し、製品の成功確率を高める助けとなります。実際、Tech-Clarity と PTC が共同で実施した調査『Developing Software-Intensive Products: Addressing the Innovation Complexity Conundrum』からは、スマート製品を開発している製造メーカーの約半数で何らかの問題が生じていることがわかっています。これはシステムの複雑性に起因する問題で、その影響は製品品質や市場投入までの期間、運用効率などに及びます。

モデル駆動の手法を活用する

Tech-Clarity の『システムエンジニアリング・バイヤーズガイド:システムエンジニアリング・ソリューションに関するエキスパートによるガイド』では、システム モデルを使って複雑性に対処することが推奨されています。PTC の調査『Developing Software-Intensive Products』では、システム モデルを活用している企業と活用していない企業を比較しました。その結果、システム モデルを活用している企業の方がビジネス上の問題が生じた割合が低いことがわかっています。システム モデルを活用している企業には次のような特長があります。

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  • 製品品質の問題が生じる割合が 23 % 低い
  • 市場投入の遅れが生じる割合が 55 % 低い

 

システム モデリングによって、システム全体のロジックを視覚的にトレースできます。そのうえで検証や確認を行い、要件をさまざまな機能に反映させることができます。

 


IoT の影響力を考える

つまり、さらに複雑性が増した IoT システムにこのベスト プラクティスで対処することで、さらに大きなメリットが得られます。単一のスマート製品を取り扱う時代ではありません。IoT では、ほかの製品やクラウド、モバイル デバイス、複数のデータベースなど、さまざまな「モノ」と通信する必要があります。モデルによって効果的な視覚情報を参照できるため、IoT システムのロジックや機能、構成、インタフェースに注力できます。旅の最中に最適な旅程を決めるようなものです。リストアップした道順を比較するか、地図を見るでしょう。道順のリストでは、道に迷わないように方向を把握するだけで精一杯です。しかし視覚的な地図があれば、より綿密に旅程を評価し、最適な道順を決めることができます。システム モデルは地図のようなものです。

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IoT は多種多様な「モノ」とかかわるため、多数の人、部門、ビジネス システムと連携する必要もあります。PTC の調査『Developing Software-Intensive Products』では、連携するチームの方が、そうではないチームよりも問題が生じる頻度が低いことがわかっています。この調査レポートでは、連携せずに独立したチームは、「コミュニケーションやコラボレーションを行わず、不測の事態や後期段階での変更、統合の問題が発生して品質、スケジュール、コストに悪影響が生じる傾向がある」と述べられています。IoT モデルを利用すれば、より密接に連携したチームに対応できます。視覚情報は、複数のチーム間でのコミュニケーションを改善する共通言語となります。さまざまな部門のスキルや業務が関係する状況では、こうした情報がチーム全体の集合知の有効活用につながります。

IoT 接続などのコードの自動生成を検討する

IoT モデルを利用するメリット以外にも、コードを自動生成できるモデルにも大きなメリットがあります。接続用の全コードなど、IoT モデルで定義されるすべてのコードを自動生成できれば、時間を大幅に節約できます。自動生成は時間の節約だけでなく、エラーが生じる危険性を減らして品質を改善する助けにもなります。

 

 また、コードの自動生成には新たな価値の創出に注力できるというメリットもあります。システムに必要な機能の開発、要件や用途への対応、新たな価値の創出機会の特定、イノベーションの促進に集中できます。コードの記述という面倒な作業に貴重な時間を費やすのではなく、チームのリソースをより効果的に活用できます。

Macintosh HD:Users:mboucher:Documents:PTC:Modeling for IoT and ThingWorx:images:AdobeStock_64765904.jpegIoT のさまざまなメリットを生かせば、ソフトウェアのアップデートを通じて、購入された後でも製品を改良し続けることができます。ただ、それには変化が必要ですが、変化は多数の問題を引き起こす危険性もあります。特に複雑なシステムでは、変化によってエラーが生じる危険性があるためです。モデルを変更してロジックを視覚的に確認し、関連するコードを自動生成できれば、より簡単かつ迅速に変更を適用できるだけでなく、エラーの危険性を減らすこともできます。

モデル駆動の IoT コードは、IoT 戦略を実施する助けとなります。時間を節約して品質を高めながらイノベーションを促進し、競争力を高める一助となるでしょう。

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執筆者について

Michelle Boucher

Michelle Boucher is the Vice President of Research for Engineering Software for research firm Tech-Clarity. Michelle has spent over 20 years in various roles in engineering, marketing, management, and as an analyst. She has broad experience with topics such as product design, simulation, systems engineering, mechatronics, embedded systems, PCB design, improving product performance, process improvement, and mass customization. Ms. Boucher is an experienced researcher and author and has benchmarked over 7000 product development professionals and published over 90 reports on product development best practices. She focuses on helping companies manage the complexity of today’s products, markets, design environments, and value chains to achieve higher profitability.