天気予報と工場 IoT

執筆者: 豊福 泰斗
  • 11/27/2020
  • 読み込み時間 : 3min
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私の中学の理科の先生は面白い人で、ラジオの天気概況の録音を流して天気図用紙に記入するという教科書を使わない気象の授業をしていました。興味を持った私は冬休みの 2 週間天気図を書き続け、冬の典型的な気圧配置である「西高東低」を実感するという中学生としてはなかなか良い経験をしたことを覚えています。

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そこから約 30 年ほど経過した現在、天気予報は各種観測機器やインターネット、また予報を見る人のデバイスの変化から大きくサービスを広げています。

東京都下水道局が運営している 東京アメッシュ は現在の降雨状況をほぼリアルタイムで確認できるサービスです。120 分前からの東京近郊の降雨情報をアニメーション形式で見ることができます。
このサービスは現在スマートフォンでも見ることができ、普段から外出前などにチェックしている人も多いのではないでしょうか。
ほぼリアルタイムで天気の状況を確認できるので、下記のような行動を取れるわけです。
「雨が迫ってきているので、洗濯物を取り込もう」
「今、降っている雨の範囲は狭いので、止んでから出かけよう」
「出先は雨なので、傘を持って行こう」


従来の天気予報は膨大な過去のデータをもとに諸条件を加味して天気や降水確率、気温の予想を発表するものです。この方式の天気予報も精度をあげながら現在も続いており、テレビなどで放送される天気予報は主にこの形式です。
さらに気象庁は 3 カ月予報 という比較的長いスパンの予報も作成しています。向こう 3 カ月の気温や降水量、降雪量の傾向が発表されます。これは農業や漁業などに関わる人も注意深く確認する予報です。
これらの情報は下記のような行動を取るために使われています。
「今日は降水確率が 30 % だから念のために傘を持って行こう」
「この冬は寒くなるから、早めに冬物を出しておかなくちゃ」
「降水量が増えそうだから、水分量の影響が少ない品種を植えよう」


さて、もうお気づきですね。
工場 IoT もまさにこのように大きく二つのタイプが存在します。

生産現場で起きていることをリアルタイムで把握して、迅速かつ的確な対応をしていくアクショナブル IoT と、各種の実績情報をしっかりと蓄積してそれを多面的に分析し、中長期の対応をしていくアナリティカル IoT です。

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アクショナブル IoT で見るべき生産設備に関わる情報は温度、振動、回転数、材料の消費数、生産数、消費電力、エラーの有無など多種多様です。設備のパネルに表示されている情報もあれば、現時点では計測していない情報もあるでしょう。場合によってはパトライトなどの積層信号灯で状況が分かるようになっているものもあるかもしれません。
必要な情報を可視化し、それらを組み合わせた情報により、今必要な下記のような対応をしていくことが出来ます。
「もうすぐセットしてある材料がなくなるので、追加しよう」
「現在のワークオーダーがあと 15 分で終わるので、段取り替えはその後にしよう」
「オイル量が減ってきているので準備しておこう」


また、アクショナブル IoT は人に対応を促すだけでは不十分です。他の業務システムと連携し「材料が足りなくなってきたので発注オーダーをかける」や「一週間後のメンテナンス予定を生産計画に反映する」など、システムが自律的な対応を行うようにしていく必要があります。

一方、アナリティカル IoT はラインや工場全体、さらには全社的な生産状況や稼働状況、エネルギー消費などの情報を長期的に蓄積します。このとき、情報が同じ粒度で時系列に沿って蓄積されていると、分析を行う際に余計な手間を省き、より正確なレポートを出すことが出来ます。
これらのレポートを元に下記のような事実に基づく業務判断を行うことができます。
「この部品の最近の不良率は 2 % だから、その分の追加発注をしておこう」
「そろそろ取引先の注文が多くなる時期だから、ラインの組み換えをしておこう」
「需要が変わり始めているので、仕掛在庫で止める割合を増やそう」


中長期の対応は経営判断にも関係してくるため、それぞれの立場で見たい情報が異なってくるものです。様々な軸で柔軟に見られるツールを用意しておく必要があります。しかし、その元となるデータに不要なものや単位の不揃い、欠損などがあると意味のあるレポートが作れなくなってしまいますので、蓄積するデータの集め方には注意が必要です。

まとめ

2 つのタイプの天気予報がどちらも必要なように、ご紹介したアクショナブル IoT とアナリティカル IoT はどちらも大切な取り組みです。
自社の取り組みはどちらを目指したものか、優先順位はどちらかなどを考慮し、それに必要な情報、さらには必要な仕組みを検討することをお勧めします。
PTC ではそれぞれにどのような仕組みが必要かなどの説明なども用意しています。ご興味がありましたら是非お問い合わせください。

この記事を読まれて、詳しい説明のご希望やご質問がございましたら、下記へお問い合わせください。
https://www.ptc.com/ja/contact-us

参考
PTC では工場 IoT に関する Web キャストを提供しています。ぜひご視聴ください。
海外事例を横目に見ながら考える、ファクトリー IoT の次の一手
日本のファクトリー IoT を紐解き実現方法を解説 ~設備からシステムまで連携に必要なシステムとは!~
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執筆者について

豊福 泰斗

製品技術事業部 プラットフォーム技術本部
プリンシパル・テクニカル・スペシャリスト

アプリケーションビジネス20年、プリセールス業11年、IoT歴4年。
PTCには2018年4月に入社し、IoT / AR製品のプリセールスを担当。
主にプロモーション、パートナー様のビジネスのサポートを担当。