【オンデマンド配信開始】Evonik 社登壇 Web セミナーと Q&A ご紹介

執筆者: 高田 俊介
  • 3/22/2021
  • 読み込み時間 : 6min
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プロセス製造業ではサイロ化されたシステムによる部門間の情報連携および情報活用の不足が大きな課題となっており、IoT プラットフォームの導入が急務となっています。

今回の Web セミナーは、自社工場に IoT プラットフォームを活用したモジュールタイプパッケージ (MTP) を採用した Evonik 社に、検討の過程、実現方法、効果などを発表いただきました。IoT が創出する新たな価値の 1 つの形として興味深い内容であったと思います。

本セミナーには多くのお客様にご参加いただき厚く御礼申し上げます。

今回はこちらの Web セミナーのオンデマンド配信が決まりましたので、そのお知らせと、開催時に頂きました多岐にわたるご質問と回答を共有させていただく記事です。

Web セミナー「これからのプロセス製造の在り方: Evonik 社の事例にみる最新技術によるオートメーションシステムの効率的な導入」オンデマンド配信

以下に Web セミナー内でいただいたご質問とそれに対する Evonik 社と PTC の回答をご紹介します。
なお、質問は適宜一般化し、回答は Evonik 社の Thomas Scherwietes 氏の回答を PTC ジャパンにて翻訳したものと PTC 高田が回答したものを掲載しました。

質問: ThingWorx は、プロセスオーケストレーションレイヤー (POL) としての役割を担っていますが、他のシステム(MES / ERP など)とどうやってシステム連携しているのでしょうか?

回答: ThingWorx は、標準で多くのシステム連携が可能ですが、この場合 REST で接続するのが最も簡単です。また、ThingWorx Kepware Server も組み合わせるとさらに簡単になると考えています。当社はまずは ERP との連携を進めていき、順次他システムと連携していくことを予定しています。


質問: POL としてなぜ ThingWorx を採用したのでしょうか?

回答: 3 つあります。1 つ目は、ちょうどそのころ産業 IoT プラットフォーム導入を考えていて ThingWorx の POC をやっており、ThingWorx がいろんなシステムとの連携が簡単だったので、できそうだと思ったからです。また、この POC で ThingWorx の実装経験を積んだのも大きいです。2 つ目はアセットライフサイクルデータマネジメントの必要性からです。データを集めて管理する仕組みが必要でソリューションを検討していました。そこからモジュール化の取り組みが始まり検証していくにつれ、プラットフォームの必要性を感じました。DCS だと工数がかかるので ThingWorx を選定したわけです。モジュールとの接続、システム連携の観点で ThingWorx が使えるのではないかと思いました。結果、すごくいい形で進んでいます。3 つ目。リアルタイム性で言えば、リアルタイム制御はモジュール内にカプセル化されており、モジュールと POL はそこまでリアルタイム性が要求されない、つまり POL は プロセス制御システム (PCS) である必要なかったからです。


質問: モジュール化された工場の安全性を担保する方法は確立してますでしょうか?それは従来の工場と同じでしょうか?

回答: 大きな違いはないと考えています。MTP はまだアジャイル開発的に進めているため安全性についても途上でありますが、モジュール化はいろんなベンダーが進めており、安全性はカプセル化されたモジュール内で確保できると考えています。ただ、モジュール間連携とかシステム全体を考えてどうするかという課題はあります。安全な OPC-UA を使うとか、HMI は ThingWorx で、その裏で Safety なシステムを動かすとか。アジャイルなのでそれをやりながら構築しているところです。


質問: 社内調整など、プロジェクトで苦労したことがあれば教えてください。

回答: 私共に限った話ではありませんが、新しいアイデアを実現しようとした時に、いろんなところから懸念が聞こえてくるものです。我々は何とか製品を短期間で市場に投入したいという想いがあったので、再利用可能なモジュール化を進めた方が良いという判断をしました。モジュール化をするにあたりプロセスを分割しないといけません。これを、もともとの PCS でやることも考えましたが時間がかかるため、ThingWorx を採用しました。P&ID を分割する、オートメーションを分割するということになりますが、それができればあとは接続するだけになるため、容易に工場を構築できます。そういう意味では、プロセス検討チームとオートメーションチームを説得することが大変でした。あれから 2 年経ちますが、彼らはすでにモジュールデザイン的なものの考え方をしています。後から P&ID を分割することなく最初からモジュール化することを考えて進めていけるようになりました。


質問: モジュールから POL 間の OPC-UA への通信は、モジュールで作成した「データモデル」を伴ったものでしょうか、それとも通信プロトコルのみに OPC-UA を使用している、ということでしょうか?

回答: はい、各モジュールと POL 間の通信は OPC-UA に基づいています。詳しく言うと、この通信自体は MTP によって確立されます。MTP はモジュールとのコンテンツベースの通信をセットアップするために POL で必要なすべての情報を含んでいます。必要な変数、動的オペレータグラフィックをインストールするための HMI 情報、およびモジュールを実行するためのすべての情報は、MTP によって提供されます。このようにして、POL が読み取ることができるベンダーに依存しないデータモデルを実現しています。


質問: モジュール化を導入する場合、機器や計器が増えることもあると思いますが、どの程度の増加があったのでしょうか?

回答: いいえ、追加の機器やデバイスは必要ありません。だた、MTP インタフェースを提供するためには、MTP 構造が制御システムによってサポートされる必要があります。これはロジックコントローラのベンダーが、既知のプロセス制御サプライヤーによってサポートされる MTP 通信用の追加のソフトウェアインターフェイスを提供することで実現されます。POL 側にも同じことが言えます。標準 PLC、DCS、または産業 IoT プラットフォームのような他のシステムに基づく POL は、MTP プロトコルをリードし、「理解」することができなければいけません。


(以下は PTC 高田が回答)

質問: 国内での ThingWorx の導入数を教えてください。

回答: 国内で数十社、グローバルで 1000 社以上の導入実績があります。


質問: 国内での事例とパートナーをご紹介いただくことは可能でしょうか?

回答: 国内の事例は具体的に発表出来るものはお客様の許可が得られていないので申し上げられませんが、みなさま積極的に取り組みをなされています。例えば、操業データの見える化です。本来 CCR でしか見られないデータを事務所あるいは自宅で見られることになるため、働き方改革に乗り出しているというお客様もいらっしゃいます。
また、IoT ハブ・オーケーストレーションとしての活用という意味では、今回の MTP の技術に注目されている化学・素材系企業も多数このセミナーに参加されておりますので、今後の展開が楽しみです。
パートナーにつきましては、PTC は こちら で紹介している多くのパートナー様とプロジェクトを遂行しております。お客様がお付き合いのある企業様とのプロジェクトも可能ですので、ご紹介いただけると非常に有難いです。


質問: MTP を他業種に適用することは可能でしょうか?

回答: プロセスのモジュール化を検討されたうえで、POL として IoT プラットフォームを活用するという考え方は適用可能と考えています。


質問: DEXPI 対応ベンダーをご紹介いただけないでしょうか?

回答: DEXPI のサイト で参加企業をご確認いただけます。こちらの企業が DEXPI を推進しております。


質問: 操業情報管理システム (PIMS) と IoT プラットフォーム ThingWorx の違いを解説してください。

回答: PIMS は、制御システムにはない、操業データの収集・蓄積・可視化を目的としたシステムです。一方、IoT プラットフォームは操業データのみならず、MES や ERP といった IT 層のデータ、工場内のフォークリフトや出荷ローリーの GPS データ、倉庫のパレットの RFID データなどを統合し、ユーザの役割に応じて必要なアプリケーションを構築・実行をする仕組みです。IoT プラットフォームは、収集するデータの種類の多さや関わる人の多さからガバナンスに関する要件が PIMS 厳しくなりますが、ThingWorx はそれを高いレベルでクリアしております。


まとめ
多くの実践的なご質問をいただき、みなさまが新たな取り組みに関して大変ご興味を持たれていることを実感しました。
PTCではこれからも皆様のご要望に応え、新しいチャンレジをサポートし、成果を出すお手伝いをさせていただきたいと考えています。


この記事を読まれて、詳しい説明のご希望やご質問がございましたら、下記へお問い合わせください。
https://www.ptc.com/ja/contact-us
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執筆者について

高田 俊介

製品技術事業部 プラットフォーム技術本部 DX 技術部
プリンシパルテクニカルスペシャリスト

2019 年 PTC ジャパン入社。IoT プリセールスとして、IoT/AR による工場のデジタル化、働き方改革、生産性向上の提案に従事。前職の経験から、特にプロセス製造業の品質管理、設備管理、AI に造詣が深い。