Creo 8.0 の新機能概要

執筆者: 財前 紀行
  • 8/23/2021
  • 読み込み時間 : 5min
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2021 年 8 月現在の最新版は Creo 8.0 です。その一つ前のバージョン Creo 7.0 で Generative Design*1 やAnsys Simulation*2 といった新しい拡張機能が導入されましたが、Creo 8.0 では、それらの機能や従来の機能をまんべんなく向上させています。既存ユーザにとって非常にうれしいリリースになっていると思います。では今リリースの概要をお伝えします。
*1: ジェネレーティブデザインは、一連のシステム設計要件から、最適な設計を自律的に作成します。エンジニアがインタラクティブに指定した要件や目標(優先材料、製造プロセスなど)に基づいて、すぐに製造可能な状態の設計が、作業の開始点または最終的なソリューションとして自動的に生成されます。エンジニアは、このテクノロジーをインタラクティブに操作しながら、素早く優れた設計を実現したり製品イノベーションを促進したりできます。
*2: Creo Ansys Simulation は、設計シミュレーションのリーダー製品である Ansys のパワーを Creo に直接シームレスに統合しています。設計者とエンジニアに特化したこのシミュレーションツールは、使いやすく豊富な機能を備え、高忠実度を維持しており、Ansys の機能を利用して熱解析、構造解析、固有値解析を実行します。さらに、設計段階で Creo Simulation Live と負荷および制約条件を共有し、シミュレーション分析を Ansys Mechanical にエクスポートできます。


4 年間サポートへ

Creo 7.0 までは、長期間リリースと毎年リリースの組合せでリリースされていました。
Creo 8.0 以降は、すべてのリリースで合計 4 年間サポートされるようになります。詳細は以下をご参照ください。

https://www.ptc.com/en/support/article/CS339031
(ご覧になるためには有効な契約が必要です)


穴あけ機能と管用ネジ穴作成の改善

使いやすさと生産性は、全てのユーザに影響する非常に重要な項目です。ここでの一押しは穴フィーチャーの改善です。従来は下記のような穴を作成する場合に手間が必要でした。
  • 等間隔でない多数の穴を一度に作成したい
  • 管用ネジ穴

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スケッチを使用して、点や直線の端点もしくは中点への穴の一括作成や、規格に準拠した管用穴の作成が可能になります。工作機械や製造装置では非常に多くの穴を使用します。この改善で、このようなお客様の生産性向上に大きく貢献できるでしょう。

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アセンブリで 3D アノテーション、製図の手書き機能向上

モデルベース定義は、多くのお客様から注目されている領域です。モデルベース定義を行う場合に適切な幾何公差のアノテーションを誰もが容易にミスなく作成支援する拡張機能「GD&T Advisor」があります。Creo 7.0 までは部品モデルにアノテーションを作成可能でしたが、GD&T Advisor ではアセンブリのアノテーション作成が出来ませんでした。また、製図機能内で手書きによる2D描画は 2D CAD のような手軽さがなく手間が必要でした。
Creo 8.0 では GD&T Advisor が部品だけでなくアセンブリもサポートします。これによりさらに多くのユースケースをサポートできるようになります。
また詳細図面に Creo Layout*3 のスケッチ機能が導入され、図面への手書き形状の追加や、インポート図面の修正が容易になります。
*3: Creo Layout は使いやすい 2D CAD ツールで、製品設計チームはこのツールを使用して、寸法や注釈などの情報を含んだ詳細な構想を 2D で作成できます。
その後、その 2D データから 3D ジオメトリを直接作成できます。CAD システムの切り替えや、3D CAD 担当者への 2D データの引き渡しは必要ありません。2D のデータだけで、元の設計意図を正確に反映した完璧な 3D モデルを作成できます。また、プロセスを自動化することで CAD 成果物が継続的かつシームレスに更新されるため安心です。

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リアルタイムの定常状態流体シミュレーション

ANSYS 社の技術を利用したリアルタイムシミュレーション ”Simulation Live” の流体機能は Creo 7.0でリリースされましたが、Creo 7.0 では非定常状態のみがサポートされていましたが、Creo 8.0 では定常状態がサポートされるようになりました。
また Generative Design では最適化結果からCreo形状を作成する再構築機能が大幅に向上しています。Generative Design で他ツールを使うことなく、Creo の中で設計をそのまま続けられることはムリ・ムダ・ムラをなくし品質向上、リードタイム短縮、コスト削減の重要な点です。

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リアルタイムシミュレーション結果を利用した賢い格子(ラティス)の作成

付加製造(アディティブマニュファクチャリング)では、従来は解析結果を基にした格子(ラティス)作成をせずに、パラメータ指定で行うことができました。Creo 8.0 から、Creo Simulation Live と連携したシミュレーション駆動型の格子(ラティス)形状の作成が可能になりました。付加製造 3D プリント対応の機能は、元々 他社 CAD と比べて非常に充実していますが、リアルタイムシミュレーションと組合せることでスマートな格子(ラティス)の設計が行えます。
また、除去加工(切削加工CAM拡張機能)ですが、新たに高速5軸加工パス機能がサポートされます。3軸加工パスを 5 軸加工パスへ変換する、エッジ部分を自動検出してバリ取り加工パス作成を行えます。

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https://www.ptc.com/ja/contact-us


執筆者

原文: 財前 紀行
加筆・改変: 武田 淳
Tags:
  • CAD
  • Creo
  • Aerospace and Defense
  • Automotive
  • Electronics and High-Tech
  • Industrial Equipment
  • Life Sciences
  • Additive Manufacturing
  • Digital Transformation
  • Generative Design
  • Simulation

執筆者について

財前 紀行

財前 紀行

製品技術事業部 CAD 技術本部
本部長 執行役員

2000 年の入社以来 CAD/PDM 製品のプリセールス・コンサルティングとして国内の幅広い顧客をサポート。担当した製品は 2D CAD に始まり、3D ダイレクト、3D パラメトリック、SaaS 型等 多岐にわたる。2018 年より CAD 技術本部長に就任し、CAD 製品のエンジニアを統括する。