PTC がお客様と会話している中で頻繁にいただく質問と回答を紹介します。
今回は Vuforia Instruct についてです。
※この内容は 2021 年 11 月の状況に基づきます。
質問: Vuforia Instruct はどのようなソリューションですか?
回答: Vuforia Instruct は AR で現場の作業を支援するソリューションになります。モバイルなどデバイスのカメラを通して対象物を認識して作業手順で着目する部位を AR で示すだけでなく、作業手順の実行結果が記録として残ります。また、直感的に利用できる製品であるため、特別なトレーニングなどなくてもすぐに現場でご活用いただけます。
質問: Vuforia Instruct を利用するのにサーバーや OS など、何を用意したらよいでしょうか?
回答: Vuforia Instruct は SaaS での機能提供になります。手順を作成、結果を閲覧する方は Google Chrome / Microsoft Edge の Web ブラウザーが利用できるパソコンをご用意していただき、手順を利用する方は閲覧アプリ (Vuforia Vantage) を利用できるスマートフォン、タブレット端末があればご利用いただけます。
質問: AR 手順の作成は特別な IT スキルを有していない工場現場の担当者でも可能ですか?
回答: はい、AR の手順は Web ブラウザーで編集することができ、手順の作成もキーボードによる文字の入力、ボタンクリック、ファイルのドラッグ・アンド・ドロップ操作で行えます。
質問: 現場にある作業対象物はどのように認識するのでしょうか?
回答: AR 手順作成の際に 3D モデルを使って対象物の形状を学習し、手順利用の際にアプリを通して対象物がカメラに写っているのを検出します。

質問: 同様の装置が複数並んでいる場合にはその個体を識別して作業記録を残すことは可能でしょうか?
回答: はい、個体に対する記録を残す場合には手順開始時にシリアル ID を入力することで作業結果の個体への紐づけが可能です。
質問: 対象物が小型なのですが、部位を示す AR を表示させるのは問題ないでしょうか?
回答: はい、対象物のサイズについては手のひらサイズくらいのものでも認識することに問題はありません。対象部品が小さすぎると部位を示すマーカー(ポイント・オブ・インタレスト)を付ける際にやりづらいといったことがあるかもしれません。
質問: 対象物はどのくらいの大きさにまで対応するのでしょうか?
回答: 乗用車 (SUV) サイズくらいまでの対象物を推奨します。
質問: どのような CAD データを取り込んで利用できるのでしょうか?
回答: 対応しているファイルについては こちら からご確認いただけます。
質問: 既に手持ちの手順書の写真や動画を利用することはできますか?
回答: はい、写真や動画データを取り込んで Vuforia Instruct の手順に利用することが可能です。
質問: 手順の利用中にミスや不具合を発見した場合に写真を記録として残すことはできますか?
回答: いいえ、現時点では写真の記録はありません。ただ、そういったご要望を多くいただいていることは開発部門に伝わっており、実装するかを検討しています。
質問: 場所によっては電波が届かないのですが、その様な場合は機能が利用できないのでしょうか?
回答: いいえ、作成した手順を端末にダウンロードしておき、オフラインで利用することができます。オフラインで実施した結果はオンライン環境に戻ってからのアップロードが可能です。
質問: 3D アイウェアで利用することはできますか?
回答: いいえ、現時点ではスマートフォン、タブレットの対応になります。3D アイウェアの対応日程はまだ公開されていません。
質問: 製品を試してみたいのですが、無償トライアルの様な環境はあるのでしょうか?
回答: はい、ご用件を伺ったうえで環境をご用意して PTC のエンジニアが支援をさせていただきながら試していただくことは可能です。
質問: CAD データには機密情報が含まれるのですが、どのような管理・運用をされるのでしょうか?
回答: 以下の標準的なセキュリティ保護施策に準拠しますが、詳細については別途お問合せ下さい。
- 公開ネットワーク上で転送されるデータの暗号化
- ネットワーク及びウェブアプリケーションのファイアウォール
- 設定のモニタリング、ネットワークトラフィックのログ記録及びモニタリング
- 認証制御、許可規則、及び管理者の行為の監査
質問: SaaS でのサービス提供ですが、機能を利用できない国はあるのでしょうか?
回答: はい、国外への通信を制御している国/エリアでは動作の保証をすることができません。
質問: SaaS の拠点がこの先増えることはあるのでしょうか?
回答: 現時点で公開されている情報はありませんが、販売状況に応じて将来的に地域が追加されることは考えられます。
質問: 対象物の認識だけでなく、表現方法として 3D モデルを使う計画はあるのでしょうか?
回答: いいえ、現時点では公開されている計画はありません。ただ、そういったご要望は開発部門に伝わっており、実装するかを検討しています。
質問: ThingWorx やその他外部のシステムとの連携は可能でしょうか?
回答: はい、作業結果は CSV 形式でダウンロードすることが可能ですので、外部システムに取り込んでいただくことができます。
Vuforia Instruct の価値を体験したい、詳しい説明を聞きたいといったご要望をお持ちいただけましたら、ぜひ下記へご連絡下さい。
https://www.ptc.com/ja/contact-us
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執筆者について
川崎 貴章
製品技術事業部 プラットフォーム技術本部 製品戦略部
シニア テクニカルスペシャリスト
2011 年 PTC に入社。製品設計の 3D モデルのビジュアライゼーション、IoT 製品の技術サポートを経て、AR 製品のプリセールス・プロモーションを担当。
過去にパソコンやスマートフォンがそうであったように、今後は AR とその関連技術で仕事や生活をより楽しく豊かにできると強く信じて、製品をご紹介させていただいています。