Vuforia Spatial Toolbox の概要
執筆者: Cindy Dustin
4/14/2020 読み込み時間 : 8 分

本日は、PTC の Vuforia Spatial Toolbox プラットフォームのリリースをお知らせいたします。PTC Reality Lab によって開発された Vuforia Spatial Toolbox はオープンソースのプロトタイプ作成環境であり、開発者はこのプラットフォームで、産業 IoT (IoT)、拡張現実 (AR)、空間コンピューティングのプロトタイプの開発を迅速に行い、リアルタイムの空間 AR の機能を進化させることができます。

Vuforia Augmented Reality 製品ポートフォリオの最新ソリューションである Vuforia Spatial Toolbox は、PTC の現在の Vuforia 製品群を補完することを目的に設計されました。このオープンソース環境を利用すると、フィジカルの世界とデジタルの世界の融合についてさらに検討し、イノベーションの境界を押し広げることができます。

イノベーションチームが直面している課題

企業の調査チームとイノベーションチームは、複雑な製造環境の業務を改善し、IoT 対応のマシンをより直感的に制御しやすくするためのソリューションを見つけるという課題を抱えています。

多くの開発者、イノベーター、研究者が、AR は複雑なコネクティッドマシンのプログラミングと制御を一般化するうえで役立つと認識しています。彼らが必要としているものは、こうした革新的な次世代の AR ツールのプロトタイプ作成のための開発負担を軽減してくれるソリューションです。

複雑な空間ハードウェアプログラミングの促進

PTC では、空間的に操作できるツールとインターフェースの開発で、周囲のモノが相互につながり合う世界のプログラミングを行う研究者と産業イノベーターを支援しています。

Vuforia Spatial Toolbox は、構築済みの UI / UX 要素、空間プログラミングサービス、直感的な UI アプリ、Vuforia Spatial Edge Server による IoT へのシンプルな接続性を備えた、総合的な産業用 AR/空間コンピューティングプロトタイプ作成環境です。

この独自の新空間コンピューティングプラットフォームを利用することで、開発者は以下を実現できます。

  • IoT と空間コンピューティングのパワーを活用する
  • 複雑なマシンのプロトタイプ作成を促進し、操作および制御しやすくする
  • デジタルトランスフォーメーションの取り組みを支える、未来に目を向けた空間的な AR および IoT のユースケースを開発する

Vuforia Spatial Toolbox は 2 つのコンポーネントから構成されるシステムです。これらのコンポーネントが組み合わさり、新たな方法で空間コンピューティングを生み出し、改良し、その複雑な問題を解決できる強力なオープンソース環境をイノベーターと研究者に提供します。

Vuforia Spatial Edge Server と Spatial Toolbox

Vuforia Spatial Edge Server

  • 分散エッジインフラストラクチャーとして展開され、物理的なオブジェクト、マシン、プロセスに接続する
  • 開発者が Vuforia Spatial Toolbox アプリケーションのインターフェースを構築またはカスタマイズし、その機能を拡張するためのプラットフォームを提供する
  • GitHub(オープンソースのコード共有およびパブリッシングサービス)を介してアクセスできる

Vuforia Spatial Toolbox App

  • 分散した複数の Vuforia Spatial Edge Server を介してつながり合ったマシンデータとのやり取りと、ロジックのビジュアリゼーションを可能にする、単一の Web ベースユーザーインターフェースを提供する
  • 構築済みの要素/空間プログラミングサービスを備えたドラッグアンドドロップ式の AR インターフェースにより、仮想の世界とフィジカルの世界をシームレスにつなぐことで、やり取り、制御、複雑な空間ハードウェアプログラミングを促進する
  • アプリストアからダウンロード可能

主なユースケース

Vuforia Spatial Toolbox プラットフォームは、空間的なコンテキスト内の複雑な機械やロボットをその場でプログラミングできるようにするツールの開発に理想的なソリューションです。

  • IoT 対応の複雑なマシンはを Kepware 経由でその場で再プログラミングできます。別々の IoT 要素(マシン、物理的なボタン、スケールなど)をノードとして空間プログラミング環境に公開し、必要に応じて修正できます。
  • ロボットを、より直感的な UI を介して操作、制御できます。開発者とユーザーは、空間座標を配置してマシンの位置をデジタルに伝達することで、マシンの軌道と動きをプログラムまたは再プログラムできます。

ヒューマンマシンインターフェース (HMI) は簡単に構築でき、インターフェースの可視性のニーズに基づいてデジタルの世界と物理的な画面の間を相互に切り替え可能なインターフェースを実現します。

その他の PTC 製品の活用

Vuforia Engine は Vuforia Spatial Toolbox の主要な要素であり、トラッキングテクノロジーを備えています。Vuforia Spatial Toolbox には標準の Vuforia Engine ライセンスが含まれています。これにより開発者は、Vuforia Engine を使用して、プログラミング/制御対象のオブジェクトを認識、追跡するために使用される Vuforia ターゲットを生成できます。

ThingWorx Kepware Server は、製造環境で IoT 対応のマシンに接続するために必要とされます。Vuforia Spatial Server を設定するために、開発者は Kepware サーバーの設定を必要とします。まだ設定していない場合は設定する必要がありますが、そのためには Kepware ライセンスが必要です。
詳細情報:

複雑なマシンとロボットのプログラミングを空間的に視覚化、操作、制御、修正、相互接続する方法について詳しくは、Vuforia Spatial Toolbox のページをご確認ください。

Tags: 拡張現実 (AR) 電子・& ハイテク
執筆者について Cindy Dustin

Cindy Dustin is the Director of Vuforia Augmented Reality Product Marketing. She is helping industrial organizations understand the value that augmented reality can bring to their business by empowering front-line workers, modernizing training and work instructions and enhancing customer experiences. Having worked with industrial customers throughout her career, she is passionate about bring new technologies to market that address customer needs in manufacturing, service and sales and marketing.