ThingWorx Kepware Edge｜OPC/MQTT を用いて Linux 環境の接続性 UP

ThingWorx Kepware Edge 向けの Message Queuing Telemetry Transport (MQTT) クライアントインターフェースは、Azure IoT Hub、Azure IoT Edge、Amazon Web Services (AWS) IoT Core などの産業 IoT およびクラウドソリューションに産業データを提供します。ThingWorx Kepware Edge により、サーバーを直接エッジに展開できます。MQTT を使用すると、データをネットワーク経由で安全に転送し、効率的なオペレーションによりコストとネットワークトラフィックを削減できます。このインターフェースには、以下のような固有のメリットがあります。

• IoT とクラウドに対応: リアルタイムデータを、KEPServerEX から、Azure IoT Hub、Azure IoT Edge、AWS IoT Core などの一般的な IoT ソリューションやクラウドソリューションにストリーミングします。
• 効率的なプロトコル: MQTT Spec 3.1 および 3.1.1 に対応した MQTT サーバー/ブローカーで Pub/Sub (Publish/Subscribe) をサポートします。
• 幅広い互換性: ThingWorx Kepware Edge に用意されたドライバーを利用して、PLC、RTU、PAC、DAQ、コントローラーなど、数千もの産業用センサーや機械からデータを収集できます。
• 高度なメッセージフォーマッティング: クライアントエージェント向けの高度なメッセージフォーマッティングにより、JSON、XML、CSV、カスタムモデルなど、複数のデータモデリング要件に対応できます。

MQTT は非常に効率的なプロトコルです。Pub/Sub プロトコルであるため、常に更新を要求するのではなく、値の変更時にデータを送信するように設定できます。つまり、MQTT を使用することで、特にセルラー通信や衛星通信で増加しがちなネットワークトラフィックと関連コストを削減できます。MQTT は、最新のセキュリティにも対応しており、トランスポート層の TLS とアプリケーション層の暗号化および認証を行います。ユーザーは、MQTT プロトコルを使用することで、メッセージの機密性と整合性を確保できます。MQTT は、デッドバンド、データアレイの読み取りと書き込み、複数のアプリケーション接続などの高度な機能をサポートしています。

ThingWorx Kepware Edge 向けの OPC Unified Architecture (UA) サーバーインターフェースは、MES、SCADA、産業 IoT ソリューションなどのクライアントアプリケーションに対して、産業用オートメーションデータへのシームレスで安全なアクセスを提供します。ThingWorx Kepware Edge を使用すると、柔軟性に優れた安全な Linux 環境にサーバーを導入できます。OPC UA には以下のようなメリットがあります。

• Linux セキュリティの強化: ThingWorx Kepware Edge をネイティブの Linux ツールと関連付けて使用することで、データを安全な状態に保ち、クライアントとサーバーの通信にまつわる問題を簡単にトラブルシューティングできます。
• 高度な機能: 暗号化のための Transport Layer Security (TLS)、x509 証明書に基づく認証、ユーザー名とパスワードを使用した基本認証などが含まれます。
• ビルドインセキュリティ: OPC UA には、証明書交換やポイント間暗号化によるセキュリティが組み込まれています。

OPC UA は産業用オートメーション向けの最新の通信プロトコルで、多くの産業用アプリケーションに採用されています。産業 IoT ソリューションでも幅広く使用されており、インダストリー 4.0 プラットフォームでは、「インダストリー 4.0 対応製品」に OPC UA を使用して通信することが求められています。OPC UA はオープン規格であり、異機種混在環境での相互運用を可能にします。

ネイティブインターフェースを使用すると、拡張現実 (AR) コンテンツ、機械学習モデル、マッシュアップ、その他の ThingWorx ツールで、産業データを迅速かつ簡単に特定し、活用できます。ユーザーは、ThingWorx Composer 内のすべてのリアルタイムデータにアクセスできます。たとえば、ThingModel の新しいモノや既存のモノにデータを迅速に関連付けたり、ThingWorx Platform のマッピングや重要な診断情報を表示したりできます。 この統合は、WebSocket プロトコルに基づく ThingWorx AlwaysOn プロトコルを利用しています。このプロトコルには、TLS ベースのセキュリティ、永続性、エッジから開始されるメッセージングなど、多くのメリットがあります。AlwaysOn により、エッジデバイスは常に ThingWorx Platform にアクセスできるようになり、その逆は不可能であるため、攻撃ベクトルが減少しファイアウォールに適した接続が可能になります。

ThingWorx Native Interface はユーザーにとって、非常に効率的で柔軟性に優れた統合スマート・マニュファクチャリング・インターフェースを提供します。具体的なメリットは以下のとおりです。

• コード不要のデバイスマッピング: 産業用デバイスへの接続を設定し、ThingWorx Kepware Edge タグを ThingModel にシームレスにマッピングして、ThingWorx Platform から直接マッピングを管理および表示できます。
• リアルタイムのデータ解析: リアルタイムの産業データをモデル化、解析、可視化して、ThingWorx Kepware Edge がサポートするあらゆるデバイスから必要とされる特定のデータを簡単に検索し、利用できます。
• リモートのプロジェクト読み込み: ユーザーは ThingWorx Kepware Edge プロジェクトをリモートから簡単に展開し、すべての ThingWorx Kepware Edge インスタンスを単一の ThingWorx Platform インターフェースから管理できます。
• 高度なデータのコンテキスト化: ThingWorx Kepware Edge のデータと ThingModel を使用して、ThingWorx の高度な分析およびシミュレーションツールにアクセスし、ワークフローの構築、マッシュアップの作成、AR コンテンツの操作を行います。

現在、ThingWorx Kepware Edge は英語にのみ対応しています。

• Ubuntu 18.04 LTS (x86-64)

• CentOS 7.x
• Red Hat Enterprise Linux 7.x または 8.x
• Red Hat Enterprise Linux 7.x または 8.x 
• Windows 8.1
• Windows 10
• Windows Server 2012 R2
• Windows Server 2016
• Windows Server 2019

• Ubuntu 18.04 LTS
• x86-64 CPU アーキテクチャー
• 最新の Linux Standard Base (LSB) パッケージ
• MQTT 向け Java Runtime Environment

• CentOS バージョン 7.x あるいは Red Hat Enterprise Linux 7.x または 8.x
• OpenJDK 11.0 以上
• ホストあたり 4 GB (RAM) 以上
• Python3
• 最新の Linux Standard Base (LSB) パッケージ

• Windows .Net Framework 4.5 以降
• OpenJDK 11.0 以上
• 注記:  32 ビット版 JRE のみ対応
• CPU アーキテクチャー 86 / x86-64
• Windows 8.1、Windows 10、Windows Server 2012 R2、Windows Server 2016、Windows Server 2019

ThingWorx Kepware Edge のユースケースは、KEPServerEX の導入環境とは異なります。KEPServerEX は設備における接続のバックボーンとして機能します。Windows Server 上に KEPServerEX のインスタンスを 1 台導入すれば、ワークセル、ライン、またはサイト全体を監視し、多数のタグを低レイテンシーで監視および制御できます。

ThingWorx Kepware Edge は産業用機器と重要なアプリケーションの間での信頼性の高い安全な接続を提供しますが、この製品の価値は、特にリモートデバイスを接続するための新しい分散接続アーキテクチャーを実現できる点にあります。PTC は、この製品を同種の製品の後継とするつもりはなく、主に ThingWorx Kepware Edge ノードネットワークを展開する必要があるお客様にご利用いただきたいと考えています。

主な相違点は、ThingWorx Kepware Edge がヘッドレスであり、すべての設定が REST API とコマンドラインインターフェースを介して行われるところです。ThingWorx Kepware Edge に用意されているドライバーは KEPServerEX のドライバーと同様ですが、異なる点があります。

ThingWorx Kepware Edge は、産業データを取り込んで MQTT、OPC UA、または ThingWorx AlwaysOn に変換することで、接続性に関する課題を解決します。しかしながら、ThingWorx Kepware Edge をハードウェアデバイス上に展開する必要はあります。

お客様が全体的なソリューションの一部として新しい ThingWorx Kepware Edge を導入できるよう、Kepware はさまざまなハードウェアベンダーと連携して特定のハードウェアモデルで ThingWorx Kepware Edge をテストしています。このテストにより、PTC の 2 つの製品が連携してエッジの接続性に関する課題を解決できるという確信をユーザーに提供します。このテストでは、さまざまなデータタイプとスキャン速度の 10,000 個のタグを処理し、そのデータを OPC UA Client と MQTT ブローカーの両方に送信します。以下に示すハードウェアパートナーはすべて、1 つまたは複数のモデルでこのテストに合格しました。

• Advantech 社
• Cisco 社
• Lanner Electronics 社
• Stratus
• Nexcom
• Dell Technologies